マガジンのカバー画像

マルガスキーカンパニー

125
脳内社員たちによって綴られた、2019年冬から春までの記録です。
運営しているクリエイター

#人

日報    4月8日    ハッピーな思考の停滞

記入者: タラバミント 今日は一日ハッピーすぎた。 ここで言うハッピーは、 「超楽しい〜!」みたいな感じじゃない。 日向ぼっこが気持ちよくて、 思考が停滞してしまうようなハッピーだ。 よって、今日は日報に特記すべき物事がない。 小さな気づきすらないのだ。万事オーケー。 何がハッピーって、一日中、 見たい世界が目の前に広がり続けたんだよ。 触れ合う人はみんな穏やかで、柔らかい芯があって、 温かくて、気さくで、それでいて人間クサかった。 天気も最高だった。 青空が清

日報 3月22日 隣室の音楽が聞こえた頃

記入者:明明 二段ベッドの上と下には、 壁にぴったり耳を押しつける二人の女の子。 二人は物音一つ立てず、じっと耳をそばだてている。 「……これ、なんだろう?」 上の女の子がつぶやく。 「……わかんない」 下の女の子が小さく答える。 「なんか、楽しそうだね」 「そうね。きっと楽しい気分なんだよ」 二人の女の子は笑って、それから布団に潜りこむ。 二段ベッドの上の女の子は、ミンミンの妹です。 昔からどこへ行くのも一緒でした。 ぶったり蹴ったり、つねったりのケンカもし

日報 3月21日 ノスタルジータウン

記入者:タラバミント 今日は最近オープンした町のクレープ屋へ、 パン父ジュニアと連れ立って出かけた。 店の扉を開けると、 子どもが二人、店内のテーブルでカードゲームをしていた。 駄菓子も売っていて、老若男女の出入りがあった。 どこかで見たような風景に、 なんだか懐かしい気持ちになった。 パン父ジュニアはバナナチョコを、 僕はバナナイチゴチョコを注文した。 ほどなくしてクレープが出来上がった。 少し店員さんと立ち話をしてから、僕らは店を出た。 僕らが店を出るとき、入

日報 3月15日 偶然会って「じゃあ飯でも」

記入者:タラバミント 「今夜は映画を見たい」と、パン父ジュニアが言った。 今日はパン父ジュニアの仕事の付き合いで、 富良野の町まで出て来ていた。 我が社の近所には、DVDのレンタルショップがない。 DVDを借りて見ようと思ったら、 往復50分をかけ、富良野のレンタルショップまで車を走らせる。 そんなことで、 「せっかく富良野に来たから、今日はDVDを借りなきゃ」 というパン父ジュニアの強い言い分もわかる。 こちらも付き合うことにした。 レンタルショップに入るやいな

日報    3月1日    「同じ」だけど、「違う」もの

記入者:明明 同じ地球の上に、 違う生き物が暮らしている。 違う生き物の中に、 同じ生命の構造がある。 同じ生命の構造の中に、 違う遺伝子の暗号が入っている。 違う遺伝子の暗号が生まれたのは、 同じ地球の上で。 「違う」と「同じ」は、 いつも同居しているのかもしれない。 「あなた」と「私」はどうだろう? “生き物”というくくりだと、同じ。 “笑いのツボ”は、同じかな。 “今日の気分”は、きっと違うね。 “お腹すいた”って気持ちは同じでも、 “いつ何を食べたい