生理前の気分の落ち込み。治療できる可能性があります!
フローレンスこどもと心クリニックの院長の田中です。当院では2023年11月より大人の女性のための心療内科を開始しました。
診療を開始してみて、多くの女性が、こどものこと家族のこと、仕事のこと、そして、ご自身のことで大きな負荷を抱え「しんどい」思いをなんとか踏ん張っているのを改めて感じています。
今日は心療内科を担当する浦川医師より、女性特有の疾患としての「月経前気分不快症候群」について皆さんにお話します。「生理」は我慢するもの?って思っていませんか?
初めまして。
フローレンスこどもと心クリニックの心療内科外来を担当しています浦川といいます。
皆さんはPMDD(Premenstrual dysphoric disorder)というご病気をご存知ですか?
日本語では「月経前気分不快症候群」と言います。
PMS(Premenstrual syndrome)という言葉はよく耳にするかと思います。月経前に、イライラ、浮腫、頭痛などが出現し、月経開始とともに、症状が消失します。
PMDDは、より症状が重く、主に抑うつ、イライラなど、精神面の不調が月経に伴い出るものを指します。
PMSと診断されている中に、一定数、PMDDが含まれていることが、近年の研究でわかってきました。最近はまとめてPMDsとも言われています。
外来をしていても、生理前の気分の落ち込みで受診される方は多いです。
怒りっぽくなっている自分を責めたり、人に会うのが億劫で引きこもりがちになり、月の半分はそういう状態なので、QOLを大きく損ねます。
以前よりは社会的に認知されてはきましたが、まだまだ十分に理解されているとは言い難い状態です。
PMDDというのは、アメリカの精神医学会で精神疾患として定義されており、決してご本人の、パーソナリティや怠けのせいではなく、治療が可能なものです。
治療は、漢方、ピル、抗うつ薬(SSRI)などがあり、程度や症状に合わせて決めていきます。(心療内科では主に漢方や抗うつ薬を使います。)
思っている以上に月経前に気分が落ち込んで辛い人は沢山います。「自分の甘えかも」「この程度で」などと思わずに、ぜひ一度お気軽に受診ください!
お力になれると嬉しいです。
一同お待ちしております。
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