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【感想】「アルジャーノンに花束を」とにかく悲しい話。

はじめに

インターネットで、読むべき!学べることが沢山ある!という意見を見て読んでみました。
まず読んでみて面白かったです。
面白いのでお勧めはできますが、絶対読むべき!というのは、誇張した表現だなと思いました。
実際に読んでみて、普段から小説段読まない自分にとっては、ページ数も長く、大きな展開がなかなか起きないため、結構大変でした。
ただ、日記ベースであり、その時の心情や描写が細かく書いてあるため、感情移入がしやすく、中盤から終盤にかけて物語が進んでいくうちに、自分自身も悲しい気持ちになりました。

本の内容

 彼は叔父の知り合いが営むパン屋で働くかたわら、知的障害者専門の学習クラスに通っていた。ある日、クラスの担任である大学教授・アリスから、開発されたばかりの脳手術を受けるよう勧められる。先に動物実験で対象となったハツカネズミの「アルジャーノン」は、驚くべき記憶・思考力を発揮し、チャーリイと難関の迷路実験で対決し、彼に勝ってしまう。彼は手術を受けることを快諾し、この手術の人間に対する臨床試験の被験者第1号に選ばれた。
 手術は成功し、チャーリイのIQは68から徐々に上昇し、数か月でIQ185の知能を持つ天才となった。
だが、頭が良くなるにつれ、これまで友達だと信じていた仕事仲間に騙されいじめられてたこと、自分の知能の低さが理由で母親に捨てられたことなど、知りたくもない事実を理解するようになる。
突然に急成長を果たした天才的な知能とのバランスが取れず、妥協を知らないまま正義感を振り回し、自尊心が高まり、知らず知らず他人を見下すようになっていく。周囲の人間が離れていく中で、チャーリイは手術前には抱いたことも無い孤独感を抱くようになった。さらに、忘れていた記憶の未整理な奔流もチャーリイを苦悩の日々へと追い込んでいく。
 そんなある日、自分より先に脳手術を受け、彼が世話をしていたアルジャーノンに異変が起こる。チャーリイは自分でアルジャーノンの異変について調査を始め、手術は一時的に知能を発達させるものの、性格の発達がそれに追いつかず社会性が損なわれること、そしてピークに達した知能は、やがて失われ元よりも下降してしまうという欠陥を突き止める。彼は失われ行く知能の中で、退行を引き止める手段を模索するが、知能の退行を止めることはできず、チャーリイは元の知能の知的障碍者に戻ってしまう。自身のゆく末と、知的障害者の立場を知ってしまったチャーリイは、自らの意思で障害者収容施設へと向かう。

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

悲しい気持ちになる

チャーリイは、自分は知的障碍者であったことで、社会や家族から疎外されていたことを知りながら、また、知的障害者に徐々に戻ってしまう所が悲しい気持ちになりました。
日記ベースなので、知能が下がっていく様がかなり、リアルなんです。

時代背景を理解した方が良い

この作品が出されたのが1966年です。
そのため、今と違い知的障がい者に対する扱いがかなり酷いです。
いじめや家族から捨てられる場面、障がい者施設は社会から隔離する施設として表現されています。
環境悪すぎない?と思いました。
このような場面は、今となっては想像しがたいですが、当時は、こんなこともあったのだろうと思ってみると、より物語に熱中できると思います。

さいごに

凄い面白かったので、ぜひ読んでもらいたいと思います。
けど、チャーリイを見ていると人間の一生のように感じました。
最初は、何も知識もなく生まれ、やがて成長し知識や経験を得て成長する。
最後は、体力の低下、知能の低下があり死を迎える。
生まれたときは、ただ幸せを感じていたけど、成長するにつれて、理不尽、後悔、悲しみを抱え、いつかは終わりを迎える。
自分は、この本から幸せの答え、何をすれば正解なのかを深く考えました。
結論は全くでなかったのですが、チャーリイのようになりたいなと思いました。
パン屋で一生懸命働いたり研究に没頭し、人に心優しい姿は魅力的でした。
読者が、チャーリイに感情移入しやすいのも、彼のひたむきに頑張るところや、心優しい人物だからだと思います。
私自身もチャーリイのように愛される人になれるように、頑張る姿勢と優しい心を持ちながら、この先の人生を歩んでいきたいと思います。

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