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人生深掘りインタビューのポテンシャルがヤバい:【遡航源流―人生を巡る3時間の旅―】2月の振り返り
誰がこのサービスを受けるのだろう……。
僕は半信半疑だった。
稀人ハンタースクールの特典として、スクール生は僕のインタビューを受けることができる。1期生、2期生ともにこれが意外なほどに好評で、数人に「インタビューだけでも価値がある」と言われ、それなら、と始めたのが人生深掘りインタビュー体験【遡航源流―人生を巡る3時間の旅―】だ。
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驚きの反響
とはいえ……である。
これまでも、「インタビューだけしてほしい(原稿不要)」という仕事を受けたことがあった。でもそれは大手不動産会社がまちづくりの知見を得るために建築家などから話を聞くという仕事で、目的がハッキリしている。
世のなかのほとんど誰も体験したことのない「人生深掘りインタビュー」にどれだけのニーズがあるのか、まるで想像がつかなかった。それでもとりあえず始めてみようと思ったのは、ワクワクしたから。
僕は年間平均70~80人のペースで、いろいろなジャンルの人にインタビューをしているけど、「この人、つまらない」と思ったことがない。そのうち「面白くない人はいない」と確信するようになった。
それもあって、なにかを成し遂げたり、注目されるような結果を出した人だけじゃなく、いわゆる「普通の人」からも話を聞いてみたいと思うようになった。そもそも、「普通の人」なんていない。僕にとっては、「普通の人」という仮面をかぶった面白い人しかいないのだ。
しかも、「普通の人」だから情報が少ない。ググっても、人生の歩みを知ることはできないだろう。それが、僕のツボに刺さった。まだ誰も手を付けていない遺跡を前に、刷毛を持って発掘に挑むような気持ちになったのだ。そこにどんなエピソードが埋もれているのか……。
2月の体験者は全員同業
ということで今年1月23日、人生深掘りインタビュー体験【遡航源流―人生を巡る3時間の旅―】の告知を始めた。どう値付けをしたらいいのかわからなかったから、前述した「インタビューだけしてほしい(原稿不要)」という依頼の時と同じ2万円(オンライン)にした。対面の場合、往復の時間もかかるから、3万円。
応募ゼロでも、仕方がない。だって、誰も人生深掘りインタビューを受けたことがないのだから。よくわからないことに2万円、3万円を払う人は稀だろうと思っていたのだけど、驚くべき反響があった。瞬く間に11名から予約が入り、「毎月3名」の枠が4月まで埋まったのだ。
そしてこの2月、最初の4名のインタビューを行った。毎月3名といいながら、なぜ4名なのか。それは僕がポンコツで、4名の予約を入れてしまったからだ(とほほ……)。
この4名、なんと全員が僕と同業のライターだった。しかも、皆さんXでは互いにフォローしていたものの、これまでコメントのやり取りをしたこともなく、実質的に「初めまして」。僕の気持ちを一言で表すなら……
「プレッシャー!」
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4名それぞれ仕事のジャンルは異なるけれど、恐らく全員が「お手並み拝見」と手ぐすねを引いて待ち構えているに違いない。話を聞いて記事を書くプロフェッショナルにインタビューをする。例えるなら、自分が鮨職人で、4名の同業者が身元を明かして僕の鮨を食べに来るような緊張感。
ただ、幸いにも僕は稀人ハンタースクール生にインタビューを重ねてきた。スクール生は、ほぼ全員が同業者。図らずも予行練習ができていたのだ。だから2月にインタビューした4名にも、実は毎回こっそり手に汗を握りつつ、いつも通りの人生深掘りインタビューができたと思う。
その感想は、僕にとって想像を超えるものだった。4名ともXに投稿してくれているから、その一部を紹介したい。
〇「自分語りをしつづける」「トーク比率9:1」ってめちゃめちゃに抵抗があって笑、はじめはムズムズしつつだんだん慣れていったのがおもしろい。これ、ふだん話を聴くことが多い人こそ体験してみてほしいな。イオさんが興味いっぱい、というふうに聞いてくれて充実の3時間です。「下調べ・好奇心・体力」のインタビュー。わたしもだれかの人生を聴きたくなった。
〇イオさんの落ち着いた相づちに安心感を得て、いま振り返っても「何もそこまで語らなくても」と思うような話をしてしまった気がします。劇的でもなんでもない、小さなことも。ところが、そういう小さな話ほど、あとになって効いてくるんですね。インタビューの振り返りのタイミングで、取るに足らないと思っていた人生の1ピースが自分の核となる価値観にパチッとはまる感覚がありました。人間同士の対話の価値と可能性を感じた時間でした。
〇ぜひお願いしたい!とご連絡した イオさんの深掘りインタビュー体験 泣いて笑って濃密な3時間+αでした 寄り道の多い野良猫みたいな人生の歩みを全肯定してもらえ アーティスト気質とサポーター気質が共存するメンタリティも活きそうだと気づき 本当に元気をもらえました。
〇コーチングでもカウンセリングでもないんだけど、だけどスルンと引き出してもらう感覚はコーチングっぽいところもあったり、「そのときはどんな気持ちだったの」「それはさすがに○○だったよね」と傾聴・共感してもらえたことはカウンセリングっぽいところもあって、精神的なメンテナンスみたいな部分もある不思議な体験だった。イオさんのインタビュー体験、めちゃくちゃエンパワーされました!!!
人生深掘りインタビューのポテンシャル
いま読み返しても、鼻息が荒くなる……嬉しすぎて……!
同時に、人生深掘りインタビューのポテンシャルを感じた。普段から人の話を聞くことを生業にしているプロフェッショナルたちにも、僕のインタビューは新鮮味をもって受け止められている。なにより、対価を支払った価値があると認めてくれているからこその評価と感想だろう。僕の握った鮨を食べて、「うまい!」と言ってくれたのだ。
僕にとっても、「誰も手を付けていない遺跡」の発掘は、大きな手ごたえをもたらしてくれた。まず、ほぼ情報がなくても、時間をかけて人生を解きほぐしていくうちに、その人の「コア」に近づけるという感触が得られた。なにより、インタビュイーと一緒になってその「コア」を発見する過程が、エキサイティングだった。ふたりでランタンを持って暗闇の洞窟を進んでいって、そこに小さなキラキラと光る「なにか」を見つけたような感触だ。
これで、今月よりも自信を持って3月以降のインタビューを迎えられる。まだ5月以降の予約が空いているので、もし希望される方は「人生深掘りインタビュー体験【遡航源流―人生を巡る3時間の旅―】始めます。」の投稿を読んでから、申し込んでください。
そして!人生深掘りインタビューの手法は、僕が主宰する稀人ハンタースクールで包み隠さず、フルオープンで伝授しています。下記日程で稀人ハンタースクール3期生の説明会を開催するので、興味のある方はぜひご参加ください!
①3月3日10時~11時30分
②3月5日21時~22時30分
参加希望の方はこのグーグルフォームにご記入&送信をお願いします。
たくさんの方に出会えることを楽しみにしています!
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