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原稿料をタイパ、コスパで考える②
先日、手間と時間を存分にかける仕事のやり方が、僕にとってタイパ、コスパがいいと書いた。(原稿料をタイパ、コスパで考える。)
どんな仕事のやり方かというと、次の通り。取材相手の時間をムダにしないように、綿密に下調べをする。対面したほうがいい取材は、なるべく現地に赴く。時間の許す限り、丁寧にインタビューをする。可能なら関係者の話も聞く。頭をフル回転させて、いかに読者に届けるかを考えながら原稿を書く。
多くのライターが考えがちな、楽に、効率よく仕上げて、たくさんの原稿を書くという考え方とはまったく逆だ。その差別化によって、「稀人ハンターの川内イオに書いてほしい」という指名の仕事が来るようになるということを記した。はたから見ればコスパ、タイパの悪そうな仕事の仕方が、僕にとっては自分の未来への投資になっているという話だ。
この「未来」は、取材相手との関係にもつながっている。
取材後も続く関係
稀人ハンタースクールの説明会の際、過去に取材させてもらった稀人さんたちから、僕の取材を受けた感想、僕の記事を読んだ感想、記事が公開されてからの反響の3点を聞いている。
例えば、2022年3月にプレジデントオンラインで公開された記事【「溶けないアイス」で大逆転…10年赤字の老舗和菓子店を救った「元ギャル女将」のアイデア】で取材させたもらった老舗和菓子店「五穀祭菓をかの」6代目の榊萌美さんは、1年前の2期生説明会の際に次のようなコメントを寄せてくれた。
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榊さんは去年、桶川市の市会議員に立候補して見事当選。二足の草鞋で多忙ななか、今年2月には、僕がファシリテーターを務めている透明書店のトークイベント【稀人たちのエピソードゼロ】のゲストとして登場してくれた。
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稀人マルシェでお声がけ
もうひとり、紹介しよう。プレジデントオンラインで2023年7月に公開された記事【「7年間ずっと満席のまま閉店」伝説のパクチー専門店主が、千葉の田舎に出した「パクチー銀行」の途方もない夢】。
この記事で取り上げさせてもらったのは、日本初のパクチー専門店「パクチーハウス東京」のオーナーで、いま千葉県鋸南町で「パクチー銀行」を開いている佐谷恭さん。佐谷さんも、去年の稀人ハンタースクール説明会にコメントを寄せてくれた。
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僕は一年に一度、取材させてもらった「おいしいものづくり」をしている稀人たちから商品を仕入れて、「稀人マルシェ」を開催している。
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2023年末のマルシェでは、佐谷さんがパクチー銀行で使用しているパクチーを特別に分けてもらい、販売させてもらった。マルシェ当日には、佐竹さんも手伝いに来てくれた。
ちなみに、2期生の説明会では、榊さんと佐谷さんともうひとり、梶岡牧場の梶岡秀吉さんからのコメントを紹介した(梶岡さんについては先日noteに書いた「指に魂込めたなら」で触れてます)。
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「一期一会」を超えて
一般的に、ライターは取材先と一度きりの関係で終わることが多いだろう。僕の場合、イベントやマルシェを通して再会することも少なくない。せっかく取材を通して稀人たちと知り合ったのだから、一度きりじゃ寂しい……というのは僕の勝手な片思いで、稀人たちは基本的に多忙だ。
こちらが声をかけようと思った時、稀人たちに「また会ってもいいかな」と思ってもらう必要がある。その時に効果を発揮するのが、一見、コスパ、タイパが悪そうな僕の取材であり、原稿なのだ。
稀人たちはたくさん取材を受けているから、最初の段階では僕もワンオブゼムのライターに過ぎない。取材や原稿を通して、「このライター、なにか違う……」と感じてもらうことからすべては始まる。
いやいや、普通のライターはイベントもマルシェもしないでしょ!と心のなかで突っ込みを入れた方にお伝えしたい。
稀人ハンタースクールでは、普通のライターだった僕がいかにイベントやマルシェを仕事にしたかも教えている。これを僕はひとり多角化、ひとりコングロマリットと呼んでいる。
取材して記事を書く仕事以外にも興味がある方、取材で得た縁をほかの仕事にも活かしたい方、よかったら説明会に参加しませんか?
稀人ハンタースクール3期生説明会
日時
①3月3日(月)10時~11時30分
②3月5日(水)21時~22時30分
参加希望の方はこのグーグルフォームにご記入&送信をお願いします。
上記日程が難しい方もご相談ください。
説明会終了後、アーカイブ視聴可能です。
たくさんの方に出会えることを楽しみにしています!
よかったらこちらの投稿もご一読ください!
【無名の人のインタビュー記事は読まれない? 稀人ハンタースクール3期生募集します。】
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