【町内会 顛末記】町内会を殲滅し廃墟の中から真実の自治組織の出現を待とう 2
夜、 副会長のSさんが焼酎の赤ら顔でやってきた。
二班で改めて話し合ってもらおうと思ったのだが、W息子についで、もともと自治会長を依頼したUさんまでが 「町内会を抜ける」と言ってきたという。
「何も話すことはありません」とわたしは冗談交じりに玄関に出たのだが、Sさんも事ここに至って怒り心頭で「も う、(町内会を)解散するしかないかもな」と言う。「ただこのままじゃ解散することすらもできないから」とSさん、にやりと笑って「うちの母ちゃんの意見では、だ。このまま役員が決まらなかったらあと1年か2年、いまのメンツで役員を続けて、それで解散を決めるのがいいかも知れない、と」。
「えー まだやるの~」と言ったものの、いまの状態では解散やその後の後処理もできないだろう。心配なのは前にも書いたが、不自由を強いられる一人暮らしの高齢者だ。
結局、近いうちにつれあいと副会長のSさんが役所に行って、町内会を解散した場合にどんな不便が発生するのか、またその場合一人暮らしの高齢者に対しての行政のサポートはあるのかといったことを確認し、それらを手持ち資料として4月の総会で「今後、町内会をどうしますか?」といった発議をするための準備をしておこうかということになった。
町内会が存在しなくなるのだから、市の広報やゴミ袋を配ったり、ポスターを掲示したり、回覧を回したりする必要は消失す る。あとはお年寄りがじぶんで出しに行きにくい資源ごみや粗大ごみの回収を手伝ったり、あるいはお地蔵さんへときどきお花をあげたりするような最低限のことだけを有志のメンバーで(無理なく)行うような新しい仕組みをつくればいいんじゃないか。
あれこれと考えていたら「町内会を解散させる」「それに代わる有志のひとたちだけのゆるやかなコミュニティをつくる」という目標ができて、何だかちょっと愉しくなってきたぞ。で、Sさんが帰ってから家族であれこれと 話し合いながらスマホの検索で偶然見つけたこの「町内会長日記」がなかなか面白い。
「町内会を殲滅し廃墟の中から真実の自治組織の出現を待とう」
こいつ、好き。
さて、町内会解散革命委員会です。
今日になって三班からも「町内会を抜けたい」という人が出て、この人は三役の期待を担っていた人だったのだけど、おなじように会長役を依頼されてやはり「町内会を抜ける」と言ってきた二班のUさんと仲良しだそうで、このように同調者が次々と出てきてじつに盛り上がっている。良い感じだ。
考えたのだけど、このまま「順調」にいってだれも三役が決まらなかったら(いや訂正。わが一班はすでに選出済みだけど)、現在のわが家を含む三役で延長してもいい。その代わり任期は一年だけで、その一年の間に町内会の解散と後処理とその後の「ゆるやかな形」を決める。いわば町内会の解散を前提とした「解散準備町内会」だ。
「解散準備町内会」は通常の町内会とは異なっていろいろ面倒臭い作業があるから、4月からはさっそく広報誌やゴミ袋などの配布のいわば行政の肩代わりの作業は悪いけど辞退させて頂く。「配布委託料」は要らないので、行政で配布してもらう。じぶんたちの連絡以外の行政や交番から流れてくる回覧物も回さないし、ポ スターも掲示しない。日赤募金のようなのも回さない。つまり「上から落ちてくるもの」はすべて拒否して、極力、解散と後処理とその後の「ゆるやかな形」をつくるための作業に没頭する。
町で設置した外灯をどうするか、繰越金をどうするか、今後の粗大ごみ等をどうするか、災害時の助け合いをどうするか、高齢者への対応をどうするか、いろいろ考えなくちゃいけないことがたくさんあるからね。そうして一年後の春に正式に町内会を解散してその役割を終える。
「町内会を殲滅し廃墟の中から真実の自治組織の出現を待とう」
仕事を早引けして午後、つれあいと副会長のSさんの三人で市役所総務課にて「自治会を解散した場合のリスク」について話を訊いてきた。その後、臨時総会の回覧を作成した時点で、明日も仕事なので今日はこのへんでタイムアウト。
以下の内容で、連載中です。
第一部 【町内会 顛末記】自治会長というのをやってみた
第二部 【町内会 顛末記】町内会を殲滅し廃墟の中から真実の自治組織の出現を待とう
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