【町内会 顛末記】町内会を殲滅し廃墟の中から真実の自治組織の出現を待とう 5
日曜の朝から怒り炸裂。
昨日、演劇終了の夕方にいっしょに回転ずしを食べに行った母からリクエストがあったので、今夜は母を招いて餃子パーティーをしようということになり、食材の買い出しに出かけようとしたら自転車に乗った隣家のOさんが近づいてきて、「ウィルス大変だけど、総会、やるんですか?」と訊いてきた。「まあ、二週間くらいで収まるとは思えないんでね、どこかではやらないと」とわたし。
「そんなもの、役員会で決めたらいいんだよ」
「いやいや、町内会を解散するかどうするかって話を、そんな数人じゃ決められないですよ」
「会則通りにしたらいいんだよ。会則はいわば法律なんだから」
(Oさんはわたしたちが改訂する前、十年前に会則を改訂した人である)
「その会則通りにいかないから困ってるんですよ。二班も三班も役員を決められなくて、依頼をした人がみんな “それなら町内会を脱退する” とか言ってきてるんで」
「二班だったら二班の班長に投げたらいいんだ。もうあとはそっちで決めてくれって」
「そんなことしても、何も決まらないですよ。だれも何もやらないし」
「それはそれでいいじゃないか。あとは放っておいたらいい」
じっさいはこんな同じような話をループのようにさんざん繰り返し、いい加減うんざりしてきた頃に突然、Oさんが自転車から降りてすたすたと自宅の玄関に入っていったので「おい、おまえから話しかけておいて、人が喋ってる最中になんで行くんだ? おい、戻ってこい!」とわたしがまずOさん宅玄関前で切れた。
1分ほどして畑へ持っていく鎌や野菜くずを手にしたOさんがふたたたび玄関から再登場して会話が再開。
「放っておいたらいいと言うけど、4月になったら役員も何も決まらない状態で、ゴミ出しや広報誌や外灯の電気代の支払いや、ぜんぶほったらかしになるんですよ」
「会則は法律なんだから会則通りにしたらいい」
「あのね、そんな正論を言ったって現実はそのように動いてないんだから。そもそも会則が破綻しているんだから」
「あんたがこれ以上はもう知りません、あとは二班で決めてくださいって言ったらいいんだよ」
「そんなことして何も決まらなかったら、いちばん困るのは一人暮らしのお年寄りたちですよ。ゴミ出しもできないし、広報誌も回ってこないし・・」
「そんな個人的な事情は知らないな」
「いやいや、ちょっと待ってくれよ。個人的な事情って。地域のことを考えるのが町内会じゃないの?」
「はあ、そうなんですか。それは分かりません」
これでわたしは完全にぶち切れた。
「もう分かった。これ以上、おまえと話をする気はない。おれは町内の相談窓口じゃねえんだから、いちいち人の家に言いに来るな。言いたいことがあるんだったら、総会に来て言え」と言い捨てて、ガーデンハウスから愛車ジオスを出して白菜と鶏ミンチと餃子の皮を買いにテンション最高潮になって走り出したのだった。
コロナのため町内会の総会が開けない。「もう4月になったから班長を交代させてくれ」とある班長さんが言ってきたけど、「4月になったから自治会長を代わってあげるよ」と言ってくれる人はいない。
以下の内容で、連載中です。
第一部 【町内会 顛末記】自治会長というのをやってみた
第二部 【町内会 顛末記】町内会を殲滅し廃墟の中から真実の自治組織の出現を待とう
よろしければ「スキ」やコメントを頂けたら嬉しいです。
もちろん、投げ銭やカンパも歓迎です。
ここから先は
¥ 100
この記事が参加している募集
▶︎有料設定の記事も、多くは無料で全文読めます。あなたにとって価値のあるものでしたら、投げ銭のつもりで購入して頂けたら、「スキ」同様に大きな励みになります。加えて感想をコメントに寄せて頂けたらさらにうれしいです。