【休むヒント。】 - 仕事と休みの関係性 -
群像 2024年 01 月号
特集「休むヒント。32人の休みにまつわるエトセトラ」の単行本化。
益田ミリ「休み時間」描き下ろし。
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休むことが苦手な日本人。
いまだに「休むのは悪いこと」と認識している人が一定数います。
仕事をしていると安心できる。むしろ、仕事をしていないと不安になるようです。
仕事に夢中になる時期はあっていい。私にもそんな時期はありました。
ムリをしているわけではない。充足感があったからやっていた。今では違法になった長時間労働。日付けが変わるまで働いて、当然のように徹夜もしました。
それなのに、翌日も変わらず、定時から仕事がはじまるのです。
いま思えばイカれてます。働き方改革のために意識が変わってきて、すこしだけ環境はよくなってきました。
なにごとも、ほどほどがいい。
仕事だけ頑張るってことは、プライベートを怠けていることになります。
両方、頑張らなくてはいけません。
そのために、休む。燃え尽きたくないから、休む。休むことに真剣に向き合うほど、遠ざかっているような気がします。
私にとって休むことは、自分の人生を楽しむことです。普通の人は、仕事だけでは豊かになれません。
仕事以外にも夢中になれるものは必要になってきます。
老人になって、仕事ができなくなっても、人生は続いていくのです。
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平日と休日とで区別するから悪いのかもしれません。平日は仕事をしなければいけない、休日は休まなければいけない。いつも何かに縛られて生きているようです。
言い換えてみる。「仕事をする日と、しない日」自分で決めてやっている感がでてきます。これなら前向きで開放的なきもちになりませんか。
仕事なんて、やろうと思えばどこでもできます。仕事のために本を読む。明日はコレをやって、アレをやってと考える。あっ!忘れてたとスマホのスケジュールに書き込む。
会社にいる時間だけが仕事ではありません。仕事のことを考えている時間は、仕事をしていることになります。
仕事のことを忘れて、休む。
意外と難しい。ふとしたときに、あっ!となる。仕事のことを考えずに1日を楽しんで終えることができたら、人生が豊かになったといえます。
気分が高揚することを、やる。
もしそれが仕事だったら、まだ休めない。
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講談社:2024.4.11
単行本:208ページ