なりいち

のらりくらり本を読んで生きてます。感想にかこつけて中身をさらけだしています。言葉の使い方が上手くなりたくてnoteをはじめました。

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マガジン

  • 読書記録

    頭が動いたままに、心が感じたままに、記録を残しています。読書感想に正解はなくていいのです。

  • 詩と散文

    詩と散文をまとめています。

  • 自家製小説

    自分で書いた小説をまとめたマガジンになります。少しづつ増やしていきたいと思っています。

最近の記事

レーエンデ国物語の連載がスタートしたよ

 月刊アフタヌーン12月号(2024/10/25 発売)より連載がスタートしました!  ぱっとみ「君と宇宙を歩くために」がドドーンと目に入るので目立ちませんが、右下に「新連載」とありますね。  原作の小説とはすこし違ったキャラクターとなっていますがイメージを損ねることなく、新しい「レーエンデ国物語」となっていました。  文字で綴った物語から、その世界とキャラクターが線で描かれる。楽しく拝読させてもらいました。  いつかアニメにもなるのかな、とすこし期待しています。

    • 子なし税がはじまるぞ!

      少子化対策のため、2026年 4月より「子ども・子育て支援金」の徴収がはじまります。独身税ともいわれています。 年収に合わせて¥200 ~ 1,000 になり、3年間つづきます。翌年には¥250 ~ 1,350 に上がり、さらに翌年には¥350 ~ 1,650 と毎年上がりつづけるのです。 児童手当や出産一時金、育児休暇中の給料100%保証など子育て世帯への手当が厚くなります。子どものいる親には嬉しい話です。 子どものいない家庭にとっては増税となりますが、いまは子どもが

      • 読書ノート『グレイスは死んだのか』

         第55回新潮新人賞を「シャーマンと爆弾男」で受賞した著者「赤松りかこ」さんは、大江健三郎さんを敬愛する獣医師です。  本書にはシャーマンと爆弾男も併録されています。  赤松さんの文章を読んでいると、腹の中、さらに奥の奥からエネルギーが沸き立ちます。帯に「圧倒的筆力」とありましたが納得の筆力、とてつもない力強さは刺激的で虜になります。  ネタバレになるから軽く……  とても読みづらくて頭がモヤモヤするところがある。けれどそれは意図して書かれた文章になっていて、すぐに読み返

        • できないことはダサくない 「君と宇宙を歩くために」

          マンガ大賞 2024 大賞受賞作 「君と宇宙を歩くために」  この物語に共感できない人は、ほぼいないんじゃないか。心理学者のアドラーは「すべての悩みは対人関係の悩みである」としたように、生きづらさを感じるときは、決まって他者と関わっているときになります。  発達障害や自閉症スペクトラム症と一口に言っても、症状はさまざまだし、グレーゾーンだと一見してもわからない。  なにかしら苦手を抱えている。多いか少ないか、重いか軽いか、はある。  乗りこえようと頑張っている人をバカにす

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        記事

          俳句「よはのなつ」

            茂 み か ら 鈴 の 音 ひ び く   夜 半 の 夏    夜半の夏(よはのなつ)とは、つい夜ふかしをして短くなってしまう夏の夜のこと。  深夜に窓を開けていると、風が涼しさを運んできます。茂みからは鈴虫の音が、耳に、心に、癒しを届けてくれます。  クーラーの機械的な風と違って、自然の柔らかな風に撫でられて読書をするのは、最高に気持ちのいい静かな夏の夜です。

          俳句「よはのなつ」

          読書ノート『軽いノリノリのイルカ』

           満島ひかり × 又吉直樹  満島ひかりが生んだ回文をもとに  又吉直樹が物語を書き下ろした  GINZA連載の回文物語集「まさかさかさま」書籍化 ーー感想「回文」  こどもの頃に流行った「上から読んでも下から読んでも」ってあったなあ、と懐かしい思いだけで手にとって、回文ってこんなに長い文章が書けるんだ! って衝撃をもらった。  タイトルがすでに回文になっていて、オシャレでかわいい。  満島さんの回文がスゴいのは知っていたけど、はじめて読みました。回文作家との対談が載っ

          読書ノート『軽いノリノリのイルカ』

          読書ノート『むらさきのスカートの女』

           第161回芥川龍之介賞 受賞作 ――こんな話 「むらさきのスカートの女」と呼ばれる彼女が気になって仕方のない「黄色いカーディガンの女」わたしは、彼女と「ともだち」になるために、自分と同じ職場で彼女が働きだすよう誘導する。  ホテルの清掃係として働くようになった彼女は、同僚から認められ、しだいに健康的になっていき、性格も明るくなる。職場に馴染んだ彼女は所長と不倫をするようになり、同僚から嫌がらせをうける。  そんな中、ホテルの備品がフリマに出品され問題となる。 ――感想

          読書ノート『むらさきのスカートの女』

          一日ではなせない読書感想文を書くこと

           小学生のこどもが夏休みに受ける試練のひとつ「読書感想文」学校での朝読書が習慣になって、本を読むことが日常になっています。  けれど読書が嫌いな人もいて、もちろん好きな人もいる。好きな人は問題のないように思えますが、感想を書けと言われるとまた別の問題へと変わります。 書く意味がわからない 面倒くさい 本を読みたくない  嫌な、やりたくない理由はスラスラでてきます。ですが、同じくらいメリットがあることを知ってもらいたいです。 考える力が鍛えられる「思考力」 読み解

          一日ではなせない読書感想文を書くこと

          読書ノート『蛇にピアス』

           第27回すばる文学賞  第130回芥川賞 ーーこんな本  赤い髪に龍の刺青をいれ、ピアスとスプリットタンが特徴的な束縛気質な恋人アマ。ルイの苦しむ顔や泣いている顔を見ると欲情するサディストの彫り師シバさん。ふたりと関係をもつルイは、痛みに快楽を感じる。  蛇のように舌を二つに割るスプリットタンに魅了されたルイは、身体改造にはまっていく。舌にピアスを打ち、背中には龍と麒麟の入れ墨を入れるけれど、改造が進むにつれ熱意は下がり、どうしてこんなことをしているのかわからなくなる。

          読書ノート『蛇にピアス』

          読書ノート『水たまりで息をする』

           芥川賞作家の高瀬隼子さん、大好きな作家さんのひとりになります。   ーーこんな話  バスタオルを使っていない……夫が風呂に入っていないことにづいた衣津実は、なんとか風呂に入れようとするけれど入ってくれない。水が臭くて触れるとちょっと痛いと主張する夫は、風呂に入らないままでも会社へはいく。どんどん濃くなる臭いと溜まっていく垢に、衣津実は心配になるけれど夫はそれほど気にした様子ではない。  ある日、雨に濡れて帰ってきた夫は嬉しそうにはしゃいでいて、この手があったか、と胸をう

          読書ノート『水たまりで息をする』

          読書ノート『日本語の作文技術』

          ある作家さんのYouTubeで紹介されていて、その方曰く、文章の型は崩れていくから校正をしていかなければない、そのようなことをおっしゃっていました。 なんとなく感じていた読みにくさ、とは何かを知ることができました。 読みやすい文章は、型を守った構成になっている。そして意味が通じれば、型を守るよりもリズムよく読めることにこだわった方がいいみたいです しかし実践するとなるとけっこう難しい。 今も書きながらドキドキしています。学んだことは活かせているのか、ちゃんと実践できている

          読書ノート『日本語の作文技術』

          読書ノート『暗殺』

          2022年7月8日11時31分、奈良県奈良市の近畿日本鉄道大和西大寺駅北口付近にて、元総理が凶弾に倒れた。 その場にいた、ひとりの男が捕まる。 2年前に起きた実際の事件をモチーフに、膨大な取材で描く作品となっている。本当にフィクションですか? と思わせるほどのリアリティがあり、重めの内容ながらリズミカルに物語が進むので読みやすい。 仕立てられた“表向き”の暗殺者、過去の事件とつながる“影の男”と呼ばれる暗殺者、ふたりの男が狙うのは日本の未来。 元総理はどうして殺されたの

          読書ノート『暗殺』

          本を読まずにそのまま放置する「積読」はムダ?

          こちらに積読に関しての統計データがのっているニュースがあります。 6冊以上とありますが、少ないですね。 年間 7万冊以上の本が発刊されるのだから、出会いが多すぎて読むのが間に合わなければ、自然と積読が増えるのは仕方のないことです。 積読の価値は金銭では量れません。そもそも、読まずにそのまま放置をしているのではなく毎日、愛でています。 私ゴトの偏見になりますが。 買ってきた本は、本棚の一番上にある「未読」エリアにとりあえず落ち着きます。もちろん目線の高さにある一等地です

          本を読まずにそのまま放置する「積読」はムダ?

          詩「ロウリュ」

          熱々のストーンに水をかける ジッ ジュジュッ ジュワァジュワァ 熱々のスチームが降りそそぐ 耳と指がジリジリ痛く 喉のおくが渇いてカサつく 身体を守れと汗が生産されていく 熱から守るように包んでいく 熱さを求めていた体は冷たさを求めだす 意志と身体がケンカをしだす もう出たい まだ早い いく度ラリーを続けただろう もう無理だよう そうだね出よう 背景 頭の中にゴミがたまってきたらサウナへデトックスに行きます。 モヤモヤした頭がスッキリして、思考がクリアにな

          詩「ロウリュ」

          才能と才能の出会い

          劇場アニメが公開されました。 58分という長さにまとめられたことで、作品の疾走感が失われず、冗長なカサマシがなかったため、前のめりに熱くなり、心臓を握り潰されるほどに感情がざわめいた。 自分のもつ絶対の自信を打ち砕く天才が現れる。どんなに努力してもその差は縮まらない。 心が折れて好きなことを諦める。 あることがキッカケで、その天才が自分のことを認めてくれていたことを知る。 こんな嬉しいことはない。 心に火がつく。燃えるように力が溢れてくる。自分は無敵だ。最強だ! 凡庸に生

          才能と才能の出会い

          読書ノート『能力で人を分けなくなる日』

          著者の最首悟さんは87歳になる。妻の五十鈴さんと、重度の障がいをもつ娘の星子さんと三人で暮らしています。 障がいによって「目が見えない」ということや「しゃべらない」ということは、ないことではなく、もっていることだとおっしゃっています。 人間には「人が人といる場所」という意味があります。 ◇ 心に響いたはなし 「聴す」は「ゆるす」と読みます。 心を開いて聞くという意味があり、意識を弛緩させてぼーっとあいての話を聞くことです。 心がゆるんだ状態で聞いていると、あいてもリラ

          読書ノート『能力で人を分けなくなる日』