見出し画像

シリーズ『食事摂取基準』#8(登場する指標)

目安量

食事摂取基準において「目安量」と聞いたときは、
・栄養素の「指標」である
・「摂取不足の回避」が目的である
・3つあるうちの1つである
と思い浮かべるのがスタートです。

引用 厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020 年版)https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf


「目安量」(adequateintake:AI)
カンタンに言うと「十分な量」
しっかりした定義では「特定の集団における、ある一定の栄養状態を維持するのに十分な量」
大きな特徴「十分な科学的根拠が得られず、推定平均必要量と推奨量が設定できない場合に算定される」

m.つまり、ほんとは推定平均必要量と推奨量を設定したいんだけれど、それを設定するための根拠が現時点でないとき、空欄のままにもできないので、代替指標として置いておく、というイメージです。
(目安量がある栄養素は、推定平均必要量がないし、推定平均必要量がある栄養素は、わざわざ目安量を設定する必要はない。)

もちろん、適当に決めているわけではなく、「基本的には、健康な多数の者を対象として、栄養素摂取量を観察した疫学的研究によって得られる」とされています。
例えば、国民健康・栄養調査などの値を用いて、「現時点でみんなこれくらい食べている、それでいて欠乏も起こってない、だから、だいたいこのくらいの量を摂取すれば不足は起こらないだろう」といった感じで決まります。

m.逆に考えると、「十分な量」ということは、不足が起こる量よりも、だいぶ多い量(値)になっているということでもある。なので、仮に推定平均必要量が設定できたとしたら、目安量はその量(値)よりも多いはず。

関連する問題

20回166番
d 目安量とは、推定平均必要量・推奨量を算定するのに十分な科学的根拠がない場合に設定されるものである。
答え 〇

27回91番
日本人の食事摂取基準に関する記述である。
(3)目安量(AI)は、動物実験を根拠に算定する。
答え × 健康な多数の者を対象とした栄養素摂取量を観察した疫学的研究

ちなみに最近は、問題文は「AI」のみで出題されています(^^

今日も勉強おつかれさまです。
marcy

ここから先は

0字

marcyノートは、国試対策に特化したマガジン(記事集)です。 (このマガジン(有料版)は、2024年9月30日 に終了いたします)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?