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お魚の形のスポンジの思い出。
お魚の形のスポンジ。
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今でこそ、クマだの犬だのかわいい形の台所用スポンジって色々あるけど、この「お魚の形のスポンジ」はそれらのスポンジのはしりだと思うわけ。
その昔、アタシが最初に就職した会社はとある芸能事務所。
といっても、大きいところではなくアタシのちょうど干支ふたまわり年上の女性歌手が自身でやっている個人事務所。
アタシはその歌手(Kさんとします)とプライベート含めすべての行動を共にしスケジュール調整から、撮影などの現場でのやり取り、身の回りのお世話、買い物、運転・・なんでも担当していた。
Kさん、すごくこだわりが強く、一度気に入った商品はずーっと使い続ける。
箱ティッシュ、シャンプー、コンディショナー、目薬、キッチン手袋、各洗剤、メイク落としシート、クリームパンなどなど。
とにかくこれじゃなきゃダメというものが多数存在していた。
その中の一つが冒頭の「お魚の形のスポンジ」
これ、今でこそ近所のスーパーにでも置いているくらいメジャーなものになったと思っているのだけど、当時(20年くらい前)は本当にどこにもなくてKさんに「買ってきて〜」と言われたらアタシは都内中探し回って買っていた。
ある時、日中に友人からの電話。
友「アタシちゃん、今なにしてるの?遊ぼう?」
ア「今?お魚の形のスポンジ探してる!(必死)」
友「なにそれ、うける!」
それからというもの、その友人とのやり取りにおいて「忙しくて時間がない、今それどころじゃない」の意味で「お魚の形のスポンジ探してる」というキーワードが流行した。
お魚の形のスポンジ。
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さすが、芸能人に気に入られただけのことはある。
手へのフィット感、隅々まで洗える「角」がたくさんある感じ、立てて置けて水切れよし、カラーバリエーション豊富、と。
使ってみると良いとこだらけで、結局あたしもそれ以来20年近くこの「お魚の形のスポンジ」を愛用している。
今や同じようなスポンジをもっと安価に手に入れられるのだけど。
なんとなく変えられない。
あの時は分からなかったけれど、なんだかんだアタシもこだわりの強い年代になったのだ。
さて、今日もお魚の形のスポンジを探しにいってまいります。