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蒸し暑く 湿った夏の宵に
届かずに彷徨う虚ろな言葉をもう一度読み返したくて
夜空にかかった霧の薄くなってゆく方へと歩き始めた
誰にも見付からないよう、足音を立てずにゆっくりと
初めは歌、その次は切れかかったネオン、そして淡い炭酸水
みんな目を向ける端から互い違いに浮かんでは消えてゆくので
次第に暗がりの方へもたれかかるようにして、溜め息をついた
そのうち暗さにも目が慣れてきて、壁に描かれた絵に気が付いた
何かを待ち焦がれるように大きく開いて古びた窓の向こうには
霧の中を誰にも見付からないよう、静かに歩く男が描かれていた
駅前の大通りをやり過ごして地下迷宮のような駐車場の先に
ぼんやりと口を開けた長いトンネルへと向かう、僕の姿が
※Marcos Japasamba名義での音楽活動のひとつ【Lofi Night Sound Scape】との連動を図る、音と画と詩で相互をモチーフとする形態での詩作品です。
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![M.J.S.](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/133926089/profile_921b75ab23bf23bce6e7cd636cfd202b.jpg?width=600&crop=1:1,smart)