見出し画像

冷房のあまり効かないカウンターで

かすかに手に触れた時にも はっきり捉えようとすれば
揺らぐ夜の薄暗がりが 混ざり合って溶け合う隙間へと
ぼんやり輪郭を失って 見えなくなってしまうのなら
名付ける事もないままに 闇もまた次第に深くなれど

やさしさを湛えて 静かに舞う雨粒がこの夜を満たすなら
そのグラスを傾けるほどに増してゆく 酔う事もない渇きの先で 
繰り返し訪れる求めていた安息も 求めていなかった憂いも 
初めからそこには何もなかったように 全て洗い流されてゆく
微笑みなさい あなたはあなたを生きているということ

夜は囁くようにして 耳元でそう歌った 



※Marcos Japasamba名義での音楽活動のひとつ【Lofi Night Sound Scape】との連動を図る、音と画と詩で相互をモチーフとする形態での詩作品です。

※動画の楽曲サブタイトルはポルトガル語で「夜はそのように囁く」という意味です。楽曲中の逆回転の歌声は、上記の詩を歌ったものを逆再生したものではありません。

いいなと思ったら応援しよう!

M.J.S.
もしも作品がお気に召しましたら、サポート頂けましたら幸いです。 ファンが作家を支え、作家がファンを通して世の中を笑顔で満たし、色んな価値観が僕やあなたのいるこの世界をハッピーにしてゆきます。 ここだけでなく、文化芸術を通した世の中へのアクションにご理解頂けましたら幸いです。