はじめてのSleep No Moreガイド2: スリープノーモアってざっくりどんなの?
前回に続きイマーシブな演劇「スリープノーモア(SMN)」をもうちょっと紹介。おおまかなストーリー、規模、公演の流れざっくりくらいまで知りたい人向けです。私は「一度しか行かないだろうし、見逃しが多いと寂しいな」と思ったので、初めて行く前にこのへんまで調べて臨みました。
ちょっとだけネタバレ
知らないことが多ければ多いほど、驚き・感動・発見があって面白いこともあるから、どこまで前調べするかはサジ加減が難しいところ。でも3時間一本勝負で初めて行った広い空間でさまようんだから、把握してたいこともある。ざっくり全体像を知りたい人だけどうぞ。
ストーリーのベースはマクベス。公式サイトにもShakespeare’s Scottish tragedyって書いてある。ヒッチコックとか魔女裁判の要素も混ざってる
1〜5階までのフロアを存分に使ったいろんな場所で同時多発的にストーリーが展開するから、一度の公演で全部を追うことは不可能
観客数最大400人、演者は20人くらい、およそ10万平方フィート=1000平米の会場に100以上の部屋があるらしい
約1時間のループを2.5回くらい+αで合計3時間くらい。3時間をフルに使ったストーリーじゃなくて、同じ場面がだいたい3回繰り返されるから「さっきちらっと見たやつもう一回」というリピートもできる
建物に入るとトランプを渡されて、その番号順に会場であるさらに中の部屋へ導かれる。毎公演Ozチケットは約50枚、エースがもらえる(=最初の方のグループに確実に入れる)のはそのうち先着30人前後だそう
最初のグループはエレベーターで上る体験ができるけど、それ以降のグループは混んでると交通整理のために階段で案内されるとか。入場時以降はエレベーター使えずに基本は階段のみの移動
常識的にいくとショッキングなシーンもいくつかある。前衛的なアートとかオトナなテーマとか苦手な人はやめといた方がいい。明るいエンタメ色の強いイマーシブ・フォート東京とは対角線にある印象
もうちょっとネタバレ
内容の一部を紹介してるので、知りたくない人は見ませんように。ネタバレって言うほどストーリーには踏み込んでないけど、各フロアとか「仕掛け」とか人気シーンを簡単に紹介。詳しい内容は書いてません。
6階と屋上もあり、6階は演者に連れて行ってもらえた場合のみ見られる。ちなみに屋上は普通に入れるレストランGallow Green。Cheese curdがおすすめだとか
演者に選ばれし者のみが体験できるのが「1:1」(ワンオンワン)。小部屋に連れていかれあなたのためだけに演技や会話してくれたり、耳元で何か囁かれたりという特別なレア体験のこと。パフォーマンス中に散りばめられている。伸ばされた手は握るべし
お菓子屋さんにある飴は食べていい。五感をフルに刺激
一番有名なシーンはRave(レイヴ)って呼ばれてて、4階で発生する。テクノミュージックが聞こえたら急いで音の元へ!人によっては衝撃が強すぎるかもなので、ダメだと思ったら速攻退去できる位置を確保
ざっくり各階にあるもの一覧。いろんなキャラが集まることが多いのは4階、続いて2階です。誰もいなくなったり追ってた人物を見失って迷ったら、2階か4階どちらかに向かえば何かしら起こってるはず。
5階: 病院、森
4階: 店舗の並ぶ町並み
3階: 夫婦の寝室、墓地
2階: バー、ホテルロビー(入口)
中2階: バルコニー、寝室
1階: ダンスホール
なにげにバーにも演者がいる
ループはダンスホールで始まり、ダンスホールで終わる
まさにネタバレ
各キャラの背景とかさらなる情報源とか沼にハマりたい方へ、英語のリンクをいくつか。行く前は絶対読んじゃダメなやつばかりなので、行って興味が湧いたら深掘りしてみてほしい。
各フロアのイメージ: 写真たくさん
複数回行く人向け、2度目以降に最も効率よく周れるかも導線: 自分で手探りの方が楽しいとは思うけど、参考にはいいかな
各キャラごとのスーパー詳細なネタバレ: これぞネタバレ。タイミングによっては全然見かけない登場人物もいたりするし、それぞれの物語やキャラ同士の関係性を熟知したい方のみ
”Punchdrunk: Behind the Mask”: 作ってる人たちPunchdrunkへのインタビューが存分に詰め込まれたドキュメンタリー。普段は見られない舞台裏とかすんごいイイ。ストリーミング視聴は英国内のみ?予告編はこちら
Sleep No Moreサウンドトラック@Spotify: ファンが作ったプレイリスト
開幕直前の新作「Life and Trust」についての考察・推測Podcast@No Proscenium
Sleep No Moreのクリエイティブを担当するPunchdrunkアートディレクターFelix Barrettインタビュー(2023年)@Future of StoryTelling
Sleep No MoreのプロデューサーEmursiveのチーフ・ストーリーテラーIlana Gilovichインタビュー(2023年)@Life is a Festival
ネタバレ満載の全体像とかストーリーの流れとか @This is Rad! 0:32~2:06あたりまで
最後に
2021年に初めてイマーシブシアターなるものに行って、最近また熱が再発したイマーシブ初心者が語ってみました。Sleep No Moreもスタートした当初から知ってたくせに今の今まで行けてなかったので、滑り込めてよかったー。
演者によって観客によって同じ役でも全然表現が変わるんだろうし、先日はあの役やってた人が今度はこの役やってる!とかあるって言うから、延長されまくったら何度も行きたい。
個人的には初回はメインのストーリーを中心に、混んできたら空いている方へ移動し、ループリセットでスタート地点に戻ってを繰り返しました。次回は心に多少余裕があるはずなので気になる人物をじっくり追って、音や光、建物内の装飾なんかに注目する戦法を取り入れようと思う。
とりあえずNo ProsceniumのPatreonとSNMファンのDiscordに入ってみたから、他の演劇とか体験型シアター、没入系エンタメも開拓するぞ。Everything Immersiveでアメリカ他のイマーシブ情報も一覧できる。
Sleep No More上海版も見たいし、韓国でも上演する可能性があるんだって。