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一歩下がると何が見えますか

美大の卒業制作展を見学した。

様々な視点から工夫を凝らした
チャレンジ作品ばかりでとても刺激的。
クリエティブ基礎研究の見本市という様相だ。

大学生の研究だから、思いっきり風呂敷を広げているため
「これはどうやって応用すりゃいいんだ?」と思わせる尖った作品が
多かったが、その中でも興味を惹かれたものが二つあった。

まずは、大人になると読めなくなるピーターパンの絵本。

最初は、白くてきれいなページが時間経過とともに
自然と黄ばんでいき、文字も薄くなり、やがて消えていく。

子どもでもわかりやすい。ファンタジーを現実世界でのファンタジーに
掛け合わせた点が気持ちいい。

もう一つは、大量の手作りテディベア。
一つのテーブルにハンドメイドのテディベアが4体横並びになり、
テーブルは8卓。合計32体のテディベアが陳列してある。
どれひとつとして同じものはない。

作品紹介には「人間は、だれでも欠点を持っているがそれはチャーム
ポイントでもあることを気づかない」
とある。

俯瞰で眺めると一つ一つの違いはわからない。
テディベアと一体どういうつながりがあるのかと?考えさせられた。
ベアは人間のメタファー、神の視点でみると人間同士大した違いがない。
なのに、ひとり一人になると、ちょっとしたことを欠点と捉えがちになる。
他人から見たらチャームポイントかもしれないのに…
というメッセージが込められていた。

視点の抽象度を上げて眺めるのはとても大切なこと。マインドフルネスだ。

怒りがこみ上げてきた、アイデアに煮詰まった、やる気がなくなった、、、
壁にぶち当たったら当事者意識を捨てて、自分を実況してみる。
すると突破口が見えてくることがある。

だいたい、自分に解決できない問題は、自分には降ってこないらしい。
やばいと思ったら、一歩引いて眺め
「あいつ、どうやって解決するかな」って、高みの見物をしてみると
問題も楽しく解けるかもしれない。

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こちんだ/放送作家 文字で奏でます
沖縄出身のお笑い芸人さんが命名してくれたペンネーム/テレビ番組の企画構成5000本以上/日本脚本家連盟所属/あなたの経験・知見がパワーの源です