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映画「オッペンハイマー」鑑賞

聴聞会を中心に据えながら、モノクロとカラーの対比を通じて、主人公であるオッペンハイマーの複雑な内面と彼の功績、そして後悔が繊細に描かれており、実話に基づいて構築された物語は、歴史的な重みと深い人間ドラマが絶妙に調和し、終始引き込まれた。

特に、原爆実験の成功とその威力の壊滅的な側面が描かれるシーンは、観客を二極化した感情の洪水に巻き込み、成功の興奮と同時に、その破壊力の衝撃によって引き起こされる気持ちは日本人としては非常に複雑であった。

あくまでも、この作品は原爆はオマケであり、あくまでもオッペンハイマーという人間を題材にしているのだと改めて気が付かされる。彼の異質な存在感が、時代背景や人間関係の複雑さと交錯し、まるでホラー映画のような雰囲気を醸し出し、彼の行動や決断が、時代の代償として犠牲者の一端にも見える瞬間が、物語全体に深みを与え見終わった後の余韻が半端ではない位にどっと疲れた。

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