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哲学対話③ 「家族とは何か」

11月11日に行った哲学対話ではU-3のテーマに因んで「家族とは何か」といった問いについて議論した。以前私は家族は人生を共に生きていき、喜びや悲しみを共に分かち合える関係の人だと思っていた。それは血縁関係や婚姻関係に限らず、親しい友達や知人をも含む。すなわち、家族の概念は相互的であると考えていた。少子高齢化やダブルケアなど、現代社会が抱える様々な問題に対応するためにはこのような柔軟な家族の概念を持つべきだと考えていた。 哲学対話の当日はU-3の読み物「ボート」について話し始

    • 哲学対話② 「役に立つ歴史」

      今回の哲学対話では「教育」がテーマとされた。私はそれに対する問いを二つ考えてみた。 一つ目の問いは、最も効果的な教育方法とは何かだった。私は大学に入学してから教育方法の違いに衝撃を受けた。それまでの教育では、教室で大人しく問題を解いたり、勉強をしてその成果をテストで試されるのが言うまでもなかったが、大学生になり、使う脳みその部分が全く異なるということに気づいた。大学では内容を頭に刻むだけではなく、その内容について自分自身の考察と意見を形作り、それを他人と共有することが重要で

      • 哲学対話① 「人間はなぜ美を体験するのか」

        9月16日に行われた哲学対話では、「人間」という大きなテーマにおいて、「人間はなぜ美を体験するのか」という問いについて議論しました。以前私は「美」という概念は人類の生存に必要不可欠なものだった理由で発展した進化の過程だったと考えていた。古代の人間は周りの厳しい自然界から様々な脅威を感じながら生きることに必死な生活を送っていた中、その脅威から一瞬だけでも解放され、五感を使って「美しい」と思ったものを鑑賞し、ストレス発散を目的としたプロセスとして見なしていた。しかし、現代人はその