哲学対話③ 「家族とは何か」

11月11日に行った哲学対話ではU-3のテーマに因んで「家族とは何か」といった問いについて議論した。以前私は家族は人生を共に生きていき、喜びや悲しみを共に分かち合える関係の人だと思っていた。それは血縁関係や婚姻関係に限らず、親しい友達や知人をも含む。すなわち、家族の概念は相互的であると考えていた。少子高齢化やダブルケアなど、現代社会が抱える様々な問題に対応するためにはこのような柔軟な家族の概念を持つべきだと考えていた。

哲学対話の当日はU-3の読み物「ボート」について話し始め、主人公のみおちゃんと実母の関係性について考察してみたら、家族関係は必ずしも相互的ではないという考えが提案された。みおちゃんは実母のことを家族とは思っていなくても、みおちゃんの実母は疎遠になってからも娘のことを家族だと思っているかもしれない。その反対の場合の可能性も十分ある。つまり、家族であるかどうかという認識はその本人次第であるのではないかといった考え方に定着した。他方で、一方通行な関係は家族関係とは呼べないといった意見が上がり、共通了解は得られなかった。

この議論から垣間見れたのは、「家族」は様々な形が存在し、正しい型などはないということだと思う。幸せや人生の生き方は人それぞれであり、家族の概念も本人の価値観に沿って変わるだろう。3回目の哲学対話を終えて、家族を当たり前の存在として見るのではなく、自分らしい人生を生きていくためにはしっかりと自分が思う家族の概念について考えたいと思った。

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