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【スキーと栄養学】ゲレ食とビールと冷え性🍻

今年も気付けば12月、あっという間にスキーシーズンがやってきました。

昨年まではスキーの販売に関わる仕事をしていましたが、今年は転職しスキーと関わりのない仕事についたせいなのか、「あっという間」感がより一層強くなった気がします。

さて、そんなウインターシーズンに必ず一回は聞こえてくる、「手足が冷たくて仕方ない!」の声に栄養学的な面からアプローチをできないかと思い、noteの一つ目の記事は“冷え“がテーマです。

【「足が冷たい」はスキーであるある❓】


スキーブーツの中で足がどうしようもないくらいにつま先が冷たくて、天気がいい日も滑ってる場合じゃない!というお悩み。
どんなに厚い靴下でもだめ。ましてやスキーブーツの下に履き込める靴下には限界があると思いますが、、。
手先も同様に、末端は冷えやすいですね。どんなに高価なグローブだって冷たいものには冷たいんです。

だって、冷たいものを外からクルクル巻きにしても冷たさはキープされちゃいますもんね。今日はそんなお悩みの、対処法ではなく根本原因を探りましょう。
意外な原因が当てはまるかもしれません。


【冷えの正体】


末端の冷えは血流の問題があるかもしれません。

私たちのからだには全身に血液が巡っていて、この血液の働きでからだの隅まで栄養や酸素を運んだり、反対にに要らなくなったものを回収したり、さらには体内の熱も血液によって移動しています。
もっと詳しく言えば、このとき、血液中では赤血球という船に乗って色々なものが運ばれているわけです。
が、この船(赤血球)は人それぞれに大きさが違っています。

ではこの船は、大きければ荷物も大量に運べそうだし、大きければ大きいほど良いのでしょうか?


…答えはNO!
実はこの船が大きすぎることが末端の冷えにつながることがあるようです。

【赤血球の大きさ】


皆さんは健康診断の結果は見ていますか?
特別に問題のある項目以外は注意して見ることもないかもしれませんね。
実はその中にそれぞれの赤血球の大きさを表す項目があります。

「MCV:平均赤血球容積」という項目です。
MCVの「V」はvolumeのV。この数値が高く出ている場合には赤血球のサイズが大きいということになります。
※一般的な基準値:80〜108
※だいたいは90が目安。95以上で理想よりも少し大きい傾向におもいます。
※疾病の診断基準値ではありません。

話は戻りますが、血液の流れが体温の調整もしているので、流れが悪くなれば体温は低下しやすく、体は冷えやすいのは想像しやすいですね。
そして、影響を受けやすいのが細くて中心から遠い位置にある手先足先です🦶


【赤血球の大きさと血流】


からだの中心に流れる大動脈に比べて、末端の血管は細くて、実際に胸部の大動脈が直径約3cm、手先の末梢血管は約0.4cm程と次第に細くなっていきます。

この細い血管まで、しっかり血液が流れていれば栄養の補給や体温の維持も正常に行うことができます。

そこで赤血球の大きさが問題なのです。
赤血球は血管を流れるときに、本体を折りたたむようにしているのですが、元々のサイズが大きい赤血球はうまく折り畳めず、細い末梢血管を上手に流れることができないんです。
つまり隅まで栄養が行き渡らない。
この状態は「貧血」の一つであり、「巨赤芽球性貧血」といいます。

【赤血球が大きくなってしまうワケ】

そうと分かれば赤血球の構造を知っておきたいものです。
先に赤血球の大きさは人それぞれ、と書きましたが正確には人それぞれ、それからその時期で、栄養状態によって変化します。
赤血球の寿命(サイクル)は約120日といわれ、4ヶ月で入れ替わっていきます。
なので今、大きい人も一生ではないということです。

まず赤血球が大きい場合、その構造上、必要な栄養が不足している場合があります。核である鉄が十分でも、他の材料が足りないことで赤血球が正しく作られないんです。足りないなら大きさで誤魔化そうというようなイメージです。
このとき、鉄が足りていないのなら「鉄欠乏性貧血」。

核となる鉄以外に造血に重要なのは「葉酸」と「ビタミンB12」。特にこの赤血球の巨大化に関しては大多数が「ビタミンB12」の不足と言われています。

具体的に原因をみてみましょう👇

(その1)アルコールと、糖質の過剰摂取
原因その1は、お酒の飲み過ぎと糖質のとりすぎです。
アルコールの解毒や糖質の代謝にはビタミンBが使われています。お酒や糖質のとりすぎでビタミンの無駄遣いをすると、赤血球は育ちません。
無駄遣いモッタイナイ。

スキーに泊まりで行く皆さん、昼はゲレ食のカレーやラーメン、夜は美味しい食事にお酒に温泉。最高ですよね。で、ついスキー仲間と飲みすぎちゃいますよね。
1日だけならセーフ、だけどシーズン中毎週になるとかなりのリスク!大事なのは毎日の習慣!今シーズンはしっかり対策して“冷え冷え″のシーズンにならないように注意しましょう!

オーストリア🇦🇹stubai⛷
これは特別な日笑👆大事なのはONとOFF!毎日の習慣頑張ろう



(その2)ベジタリアン
ビタミンB12は肉や魚、貝類、卵類など動物性のタンパク質に豊富です。野菜、果物、きのこ、芋などには含まれない栄養素です。普段の食事で動物性の食品を意識的に避けている場合には、必要量に足りていないことがありますよ。対策が必要です。
ビタミンB12が特に多いのはあさりやしじみ、レバーや鯖、卵黄など。
寒い冬にはクラムチャウダーもおすすめです🐚
ベジタリアンではなくても、単純にタンパク質の摂取不足でも同じことが言えます。タンパク質しっかり取って、赤血球育てて、栄養ガンガン巡らせていきましょ💪

(その3)胃や腸の乱れ
ビタミンB12は小腸で吸収されます。さらに腸内細菌はビタミンB群を生成しますので、腸や、腸内細菌の乱れによってビタミンBは不足します。

また、腸でビタミンBを吸収しやすいように前段階として、胃でタンパク質とビタミンBを切り離すのは胃酸の役割です。
胃酸はピロリ菌への感染や食事の内容によって、また興奮状態での食事でも分泌低下につながると分かっています。
腸内環境を整えて、落ち着いたリラックスした環境で食事をすることは同じ食事をとった時でも、不安やストレスを感じている時よりも栄養の吸収が良くなるということです!

栄養学って面白いですよね。
単純な足し算、引き算ではないんです。
それが面白い。深すぎて、複雑で、面白い。


【まとめ】


今回は冷えの原因のひとつ、赤血球の巨大化(=巨赤芽球貧血)の症状と対策についてでした。

生まれ変わるまでそう簡単ではないですが、食事は基本毎日の習慣、毎日の選択。で、半年後、1年後の体が決まります。
私も毎日色々選択して、間違いながら成長中。

みんなでコツコツと赤血球を育てましょう🌱

まだまだ面白い話、沢山紹介したいので
ぜひ次の投稿を楽しみにしていてください!
では、良いシーズンを👋

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