ゲーム観戦シーンの現状とその楽しさ
この記事は Feedforce Group Advent Calendar 2022 の 18日目の記事です。
昨日はねこにしさんによる「フル出社もフルリモートも経験した新卒4年目が、ハイブリッドワークを2年半してみて思ったこと」でした。働く場所や働き方が選べる状況になってきたからこそ、リモートと出社それぞれの良さを上手に活かすことがより重要になってきますよね。「対面で話すと、テキストコミュニケーションの摩擦が減る」の部分はとても共感しました。一度も対面でお話したことない方にテキストでメッセージを送る際のテキストの内容ってめちゃくちゃ難しい。。
マーケティング支援会社アナグラムのまっぷ。と言います。本日は僕が”ゲームの大会観戦”の現状と楽しさを、等々と書き連ねる記事になります。(100%自己満足です)世間的にいう「esports」ってやつです。今回の記事にするのはストリーマーやYoutuberなどを中心とするようなものではなく、「プロゲーマー」と呼ばれる人たちが中心となります。
(実は先週にはテーマ決まってました。ねこにしさん、裏切っちゃってごめんなさい。)
実はすごい世界のゲーム観戦シーン
2021年に行われたLeague of Legendsというゲームの世界大会の視聴数の公式発表数値から観てみましょう。18言語/19放送局で放送され、決勝戦の最高同時視聴者数は「73,860,742人」という数字を叩き出しています。
流石にサッカーワールドカップには及びませんが、それでも十分インパクトのある数字を叩き出しています。人気の国ではTVで大会の様子が放送されていたりという時期もあり、世界的にゲームの大会観戦がマイナーな文化というものではなくなってきています。(現在はオンライン上での配信が視聴が主流)
大規模な大会での視聴者数も莫大なことから、市場としてポテンシャルを持っているのは各プロゲームチーム(サッカーや野球のプロチームと同じように、試合に勝つことを目的に選手と契約しているチーム)のスポンサーからも見えてきます。
G2 Esportsはドイツを拠点とするチームです。そのスポンサーをみてみましょう。
Logitech G(日本だとLogicool G)等のゲームデバイス企業をはじめとして、スポーツ/ファションブランド(adidas,Ralph Lauren)、スナック菓子(PRINGLES)、クレジットカード(Mastercard)、更には自動車メーカー(BMW)と一度は名前を聞いたことある企業が名前を連ねています。
「世界がすごいだけで、日本はどうせそんなことないんでしょ?」って疑問をもたれないように、日本チームのスポンサーも観てみましょうか。
DetonatioN FocusMeは日本のチームの中でも比較的長い歴史のあるチームで特にLeague of Legends部門は世界大会の常連でもあります。
G2と同じく、Logicool Gを始めとするゲームデバイス企業、KDDI、エディオングループ、Vプリカ、SHARP、そして今記事を書いている「note」まで。大手企業や有名ブランドが名を連ねています。
世界的なゲームのマーケットをより詳細に知りたい!という人は、Newzooがソース元の記事などを読んでみるのをおすすめします。
少し昔の記事とはなりますが、世界中でのアンケートをもとに「ゲーマー」というカテゴリをより詳細にした市場分析データなどがあります。
日本でもここ数年の観戦市場の盛り上がりは大きく、株式会社CyberZ、エイベックス・エンタテインメント株式会社、株式会社テレビ朝日が協賛して開催しているRAGE、ドコモが主催となっているX-MOMETは、2022年のゲーム観戦市場を引っ張ってきたブランドだと考えております。
「ゲーム観戦」だからこその楽しさ
少し話がそれましたがここから本題にはいりましょう。
じゃあ「ゲームを観戦する」楽しさはなにかいうお話です。
日本代表や、自分が好きな選手やチームを応援する。ハイレベルなプレイに盛り上がる。このような楽しさの根本はスポーツ観戦と概ね同じだと思います。
じゃあ「ゲームの大会」だからこその面白さとはずばり、「半強制的に強い戦術や戦法が入れ替わること」だと思っています。
オンラインが中心の対戦ゲームというのは、多数のキャラクターや武器、そのキャラクターや武器に固有の能力や数値などが設定されていることが基本です。その能力や数値などは一定の間隔でゲーム開発会社によって変更がなされたり、新しいキャラクターや武器が追加されたりします。
変更が行われる目的は、より楽しいゲーム体験をユーザーに提供すること、ユーザーを飽きさせないことが中心です。多くのユーザーに定期的に変化を感じながら楽しく遊び続けてもらうことが、結果的に開発会社の利益になるからです。
つまり調整が入るたびに試合で勝つために利用している強いキャラクターや武器、またそれらを生かした戦術や戦法が変化するということです。
想像しにくい方は、突然将棋の駒の移動範囲が変わった状態を、想像してみてください。たとえばこんな感じ。
こんなことが突然告知されたら、これまで長い歴史が積み上げてきた既存の戦法や指し方は根本から崩れるでしょう。そして棋士たちは歩の動きが新しくなった新しい指し方を模索しなければなりません。
実際の将棋でこのようなことが起こることはないでしょうが、これが短いスパンで発生している環境が、「ゲーム」の世界です。大衆的なスポーツであるサッカーや野球などのルールが大きく変更されることはありませんし、されたとしても数年に1回ぐらいの頻度がせいぜいです。
基本的に2~6ヶ月に1回、期間が短いゲームだと2週間に1回の調整が実施されるので、どのチーム、選手もしのぎを削って研究に明け暮れますし、その研究と対策の結果が「大会」という局面で披露されることは変化のスピード感が早いという意味でもとても楽しいです。
また観戦ユーザー同士で、「こういう変更があったから、今はこの戦術が強いんじゃないか」という議論もできるの楽しみの一つですね。
独断と偏見で選ぶ初めての観戦にもおすすめタイトル:VALORANT
2022年現在、日本で大会シーンが一番熱いタイトルと言っていいタイトル。
シューティングゲームの中でも爆破系FPSと呼ばれるジャンルで、5人1組のチーム同士が、スパイクと呼ばれる爆弾を巡って攻防を繰り広げます。
緊張感のある撃ち合い。「アビリティ」と呼ばれるそれぞれのキャラが個別に持っている技(一定時間壁を立てる。手榴弾を投げる。敵の位置がわかる矢を放つ)などを駆使したハイレベルな攻防と選手同士の読み合い。
シューティングの緊張感と、アビリティを使う爽快感と高い戦略性が組み合わさったゲームです。
ゲーム配信者によるルール解説動画
僕がおすすめしたい理由は、スーパープレイがわかりやすいという点。特にACEと呼ばれる「1人のプレイヤーが、相手チーム5人全員を倒しラウンドを取得」はゲームがわからなくても「すごい!!!」が思わず飛び出すほど。
Laz選手のACEと観戦しているストリーマーの反応集
またゲーム自体の完成度のみならず、コンテンツとしてのキャラクターにも注力している部分も特徴的です。
世界大会の際にはテーマ曲がオリジナルで作成され、ミュージックビデオにはゲームのキャラ登場するという手の込みよう。
日本での盛り上がりはというと、2022年6月に開催されたさいたまスーパーアリーナで2日間にわたって開催された日本決勝では1.3万人の動員。チケットは即完売という人気っぷりです。
また日本語キャスターの実況解説陣の盛り上げが素晴らしいことも観戦しやすいポイントです。言葉で語るより観て体感していただきたいので、動画貼っておきます。
ゲームしての魅力や、それを支える企業や個人の努力はもちろんですが、日本での盛り上がりという意味で何より大きかったのが、2022年4月にアイスランドにて開催された世界大会での日本代表の躍進でしょう。
日本代表として出場したZETA DIVISIONは、世界3位という日本FPS史上で最高の成績を残しました。
プレイオフ突破を決めた試合とそのインタビュー
2023年1月からは新たなシーズンとなり、世界大会に向けた日本での予選もはじまります。ぜひ少しでも興味を持った方は覗いてみてください。
興味があれば観てほしいタイトル
ここからは僕の独断と偏見で選ぶコーナーです。
大乱闘スマッシュブラザーズ
このタイトルは誰もが一度はプレイしたことあるだろう「大乱闘スマッシュブラザーズ」も大会シーンが存在します。
格闘ゲームの競技シーンは自体は大きく、また日本人で有名な選手も多いのですが、その凄さが画面越しに伝わりにくいのが難点だと思っています。その点スマブラは触れたことがある人が多いのでチョイスしました。
「スマブラ」を極めた猛者達による1vs1は、「何が起こっているのがわからない」状態を振り切ってもはや芸術的なレベルです。
直近は大型の世界大会の中止が発表されたりと、少し悲しい出来事はありますが、日本でもコミュニティは活発なので、さまざまな非公式大会などを観戦することができます。
Rocket League
まずはゲームのPVをご覧ください。
「車が空飛びながらサッカーするなんて、はたしてまともなゲームなのか?」と思う人が大半でしょう。僕も初プレイのときはそう思いました。
ですがこのゲームを極めた猛者たちは違います。「浮いているボールをドリブルする」「壁に一度ボール当てて跳ね返ってきたボールをシュートする」などというとんでもないプレイが飛び出す非常にテクニカルなゲームです。
ルールとテクニックの解説が非常にわかりやすく解説されている紹介PV
観戦するために事前知識も少なく凄さがわかりやすい、1試合も短いため観戦のハードルはとても低いのが好きな点。とりあず何も考えずに一試合どうぞ。
Apex Legends
日本市場でFPSというゲームジャンルをメジャーにした大人気バトルロワイヤルゲーム。APEXがあったからこそVALORANTが日本市場にも受け入れられる土壌が整ったといっても過言ではありません。
3人一組のチームが20チーム同じマップに降り立ち、武器や回復アイテムを現地調達しながら最後の1組になるまで戦い抜きます。
日本だと出場選手がVtuberのみの大会が開かれるなど、コミュニティも非常に活発なゲームです。
直近に開催された日韓リージョンの決勝戦では、13試合 / 8時間の熱戦の末に人気チームのCrazy Raccoonが見事優勝を決めました。
複数のチームが同じ戦場の降り立つバトルロワイヤルゲームだからこそのチーム同士の駆け引きや戦略、不利な状況をパワーで返す鮮やかプレイなどみどころがたくさんです。
ゲームをプレイしたことがある人は1試合でいいので観てほしい、「いつもやってたゲームと違うじゃん!?」という面白さが必ずあります。
League of Legends
僕の中で一番大会観戦が好きなゲーム。
MOBAと呼ばれるジャンルのゲームとなり、5人一組のチーム同士が対戦。それぞれのチームはチャンピオンと呼ばれるキャラクターを一人一体ずつ選びそのキャラクターを用いて戦います。
最大の特徴はチャンピオンの成長をゲーム内で行うこと。敵プレイヤーが操作するチャンピオンを倒したり、ミニオンやクリープと呼ばれるMOBを倒すことでお金と経験値が手に入ります。それらを使ってアイテムを購入たり自分のレベルをあげることで、自身が操作するチャンピオンを強化しながら勝利条件の達成をめざします。
ゲームを観戦するために必要な予備知識も多く、観戦のハードルは高いですが、その分理解して観戦する面白さや奥深さは半端じゃないです。
とりあえず2022年の世界大会の個人的ベストマッチをのせておきます。
真剣勝負はなんだって面白い
ゲーム観戦を切り口に、シーンの現状や日本市場について、また個人的な観戦おすすめタイトルについて紹介しました。
大学受験が終わった当時に、自分がハマっていたBF4の大会動画をみたことがきっかけで、観戦シーンへとのめり込みました。その当時に思ったことは今でも変わってません。
「真剣勝負はなんだって面白い」
たかがゲーム、されどゲーム。そこに人生や己のすべてを掛けている選手たちを、これからも応援していきます。
さてさて、明日はnekoyanagiさんです。昨年はこんな記事を書かれていましたね。今年も飼い猫への愛が溢れた記事なるのか、、、楽しみですね!