一般人にとってボイトレレッスンはなぜハードルが高いのか
今回はボイトレ知識・情報ではなく、ボイストレーナー向けに「習う側」の視点を語ってみたい。プロ志向のガチ勢・レッスン慣れしてる人ではなく、一般人、レッスン未経験者が何を考えているのか、ということをトレーナーは意外と知らないのかもしれない。あるいは忘れてしまった、ということが大いにありそうである。
カラオケボックスが流行る前のカラオケは、宴会場や飲食店のステージ上で歌うというものだった。見ず知らずの他人の前で歌う、これはハードルが高い。ボイトレレッスンも同じである。初対面の人間の前で、自分の歌声を診てもらうのは裸を見られるようなもの、相当恥ずかしい。本棚とか、テレビのレコーダーの録画一覧を見られるようなものだ。ボイトレレッスンはここが、楽器や他の習い事と大きく違うところなのである。
なので、信者まで行かなくても、情報発信によりある程度「ファン」になったボイストレーナーでなければ一般人はわざわざレッスンを受けようとはしない。初回が無料体験なことが多いのはそういう事情だ。しかし、前述の通りハードルが高いのは金銭だけではない。この辺が、若手・新人トレーナーにとって集客が難しい原因である。ファンになってもらうには情報発信をせっせと頑張るしかないが、ネット時代の今は既に競合が多く、なかなか厳しい。
ではどうすればいいか。自宅や、喫茶店などでできる「相談」から始めるのがいいだろう。カラオケならまだしも、音楽スタジオを借りる時点で一般人にはハードルが高い。弁護士の「相談」は、訴訟手続きに踏み切る前段階としてある。そこで印象が良ければ、信頼できそうとなれば訴訟もお願いする流れだ。ボイストレーナーもこの段階を踏めばいい。まずは顔合わせ、雑談もしながらの「相談」を受けることが顧客獲得の第一歩となる。顔合わせだけなら対集団の講習会でもいいが、それもある程度地位のあるトレーナー向けで、新人が人を集めるのは難しい。
というわけで、試験的に私もやってみることにする。詳細は以下のツイのツリーを参照。つまり今回の記事は、自ら身体を張った企画なのである。続報が書ければいいのだが……。