佐伯マオ

90年生まれ。小説論・芸術論を深ぼるために「しらふの村上春樹を読み込む」というnoteを2024年8月より執筆中。ハードコアに深いことを、なるべくポップに書いていきたいと思います。

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90年生まれ。小説論・芸術論を深ぼるために「しらふの村上春樹を読み込む」というnoteを2024年8月より執筆中。ハードコアに深いことを、なるべくポップに書いていきたいと思います。

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  • しらふの村上春樹を読み解く

    小説論・芸術論を考えることを目的に、インタビュー、スピーチ、エッセイ、対談などにおける村上春樹さんの発言や文章を深掘ります。

最近の記事

村上春樹から読み解く「描写」の本質

村上春樹は、小説家とは何か?という質問に対して「多くを観察し、わずかしか判断をくださないことを生業とする人間」だと述べています。 これはどういう意味でしょう? 本稿では、この言葉の真意を徹底的に紐解きます。 そうすることで小説における描写の本質に迫ります。 (無料部分で90%読めます。有料部分はオマケです) 上記の発言では「判断」と「観察」が対比されているわけですが、判断と観察とは、それぞれどういう意味なのでしょうか? まず「判断」という言葉の意味について考えてみまし

¥150
    • 【村上春樹の考えるシステムとは何か?】第1回:中世〜近代化の流れを学ぶ

      村上春樹ってよく「システムが悪いやつなんだ」といいますよね。 しらふの村上春樹の発言全般について深く読み解くには、彼が「悪である」とまで言い切って問題視する「システム」について理解する必要があります。 この「悪を抽出するシステム」について自分なりに捉えるためにはどうすればいいか愚行した結果、単純に私の知識教養一般常識が乏しいという現実に直面いたしました。ですので今回は読解の共有ではなく、勉強メモの共有としてnoteを更新したいと思います。 この「村上春樹の考えるシステム

      • なぜ私たちは物語に癒されるのか?あるいは、夏目漱石が小説家になった理由について

        本稿の成り立ちと目的について 前回、村上春樹の考える「小説の役割」について考察しました。 この引用文にて、村上春樹は「小説の目的は、人(読者)が自分で考えること」と言っています。ですが、その言葉の意味が分からない。 一般的に「考える」という言葉を使うときには、論理的思考のことを指します。しかし、論理的に考えることを目的とするのであれば、法科大学院で法律を、あるいはMBAで西洋式マネージメントでも学べばいい。あるいは、自宅で哲学書でも読んで考えれば済むはずです。 でも、

        ¥500
        • 村上春樹の考える「小説の役割」とは何か?

          この記事では、村上春樹の考える「小説の役割」について、わりと本気で考察していきたいと思います。 もしかすると、あなたの小説観が一新するかもしれません。 あなたが考える「小説の役割」は何ですか? まず、村上春樹の考えを聞く前に、ぜひ自分で考えてみて下さい。ほんの15秒でいいです。 あなたは「小説の役割」とは、何だと思いますか? ・・・・・・・ とても考えにくい質問ですよね。もしかすると、長い時間を掛けたとしても、なかなか自分で納得のいく答えを出せる、と感じる人は少な

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        • しらふの村上春樹を読み解く
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          しらふの村上春樹を読み解く

          【しらふの村上春樹を読み解く】というコンセプトでnoteをはじめます。 本記事は、前半でコンセプトについて、後半で具体的に何を考察していくのかを紹介します。(気合を入れて書いたので長いですw) 【自己紹介】歴4年の新人ハルキストです 2020年に村上春樹にハマりまして、それから可能な限りすべて、彼が書いた文章を探し求めて読み続けてきました。 長編、短編、ショートショート、エッセイ、対談、インタビュー、スピーチ原稿、ほぼすべて目を通しています。 もちろん国会図書館より

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