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エンジェルおじさん現る
まずは耕起
夏に草を刈って、冬の間は刈り草で覆われた状態で寝かせていたが、やはり最初の最初はトラクターで耕起をしないことには始まらない。
土地がものすごく狭いのであれば鍬で耕すところだが、一反ともなるとよほどの人手がない限りはまずムリである。
去年の秋に大根やらカブやらを試験的に一部に植えてみたが、その時は鍬で自分の手でなんとか耕してみたものの、ものすごく大変だった。
それをみかねた近くに農機具倉庫を持っているおじさんが、謎にトラクターに乗って現れて、畑の一部を耕してくれた。
いきなりトラクターでにょにょにょにょと入ってきて、特に断りもなく一反の4分の一ほどを耕してくれたのだ。
エンジェル、キタ。
お礼を申し出たが、そんなものはいらないという。
なんならもみがらもあるから、好きなだけ持っていけとまで言ってくださる。
エンジェルきた!
と、マジで思った。
今後も耕して欲しい時にはいつでも言ってきなさい、という。
流石にお礼をしないわけにはいかないが、お金は決して受け取ってもらえそうにもなかったので、お菓子をそっとおじさんの倉庫の入り口に置いておいた。
すると、その夕方にそのおじさんがウチにやってきて、さらにそのお礼に対してのお礼としてシークワーサーをくれた。
「焼酎に入れると美味いんだ」
とのこと。
私は飲めないんですが、、、という言葉をグッと飲み込み、ひたすらお礼を言った。
どうやら本格的にこの方はエンジェルのようだ。
好意に甘える
そんなおじさんのお言葉に甘えて、春の作付けのために残っている部分を全部耕してもらった。
実に厚かましいお願いなのだが、でも私は色んな人にお願いをして支援を受けることは間違っていないと思う。
お金を払って誰かを雇うということもできるけれど、差し出された好意や親切は、素直に受け取って感謝したい。
そして自分も機会があれば同じように誰かの役に立ちたいと思う。
おそらく田舎で暮らすということは、こういうお互いへの支援をどれだけうまくやりとりできるかがとても大事なことなのだろう。
そこには煩わしさが伴うことがあるかもしれないが、だからと言ってお金で解決してばかりいると、どんどん孤立してしまう。
自立が孤立になってしまってはいけないのだ。
そんなわけで、畑の土はフッカフカに耕されている。
次は畝立てだ。
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