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【出産レポ】私の、愛おしい家族

長くなるけれど、記憶が薄れる前に私の出産の記録を残しておきたい。


・32歳

・初産

・誘発分娩(促進剤使用)

・40w0dの予定日当日に出産

・母体体重+13kg

・子(男の子)の出生体重 3330g


入院予定の前日だった2月6日。

19時頃から、若干のお腹の痛みを不定期に感じていた。でも、痛みを感じている間でもモリモリご飯を食べれるくらいの、その程度の痛み。まさかこれが陣痛の予兆だなんて思いもしなかった。というより、次の日の入院のことばかりを考えていて、あまり身体の変化を注視していなかった。


7日の深夜1時。

軽い生理痛のような痛みが10分間隔前後できていることに気付いた。けど、無視しようとすればできるような、その程度の痛み。『もっと痛み強くなって本陣痛になってくれよ』だなんて思いながら、入院に備えて眠りに入ろうとした。

2時間くらいウトウトするけど、痛みが気になってなかなか深い睡眠に入れない。この時やっとこさ『もしや?』と陣痛を疑って、痛みの間隔を測ってみる。7分と6分。


『たぶんこれ陣痛や』

やっとこさ自覚。でもまだ全然耐えれる痛みだし、なんなら4~5時間後くらいには入院だしまぁ様子見でいっか、と思いながら目覚めたついでにトイレに行く。すると、ティッシュにべっとりとついた粘液栓の中に、赤い血が混ざっていた。


『絶対おしるしやんこれ』


陣痛の始まりを確信した。そして、寝た。出産は体力勝負だから寝るしかない。深睡眠には入れなかったけど、ウトウトとすることができた。


7時起床。

母に痛みの間隔を伝えておしるしの写真を見せる。

母『これもう陣痛やん』

私たちは、親子に間違いないね。

母がニヤニヤとしながら、起きてきた夫(๑╹ω╹๑ )に陣痛の一件を知らせる。


『えっ、、、(๑╹ω╹๑ )陣痛きてるの、、、(๑╹ω╹๑ )』

夫のいつもの笑顔には、緊張感がトッピングされていた。可愛かった。

夫と病院へ向かう。

『いよいよだね、、、(๑╹ω╹๑ )!!』

夫はずっと、そわそわとしていた。率先して荷物を持って、ずっと私の隣にいてくれた。

9時頃、陣痛室に案内され、着替えを促された。真っ裸状態に前開きのワンピースのような入院着を着る。一気に患者感が増す。夫がカーテンの外に出ている間に、おむつのようなものを助産師さんにつけられた。暴れくるってワンピースがはだけたら、夫におむつ姿を見られてしまう、恥ずかしいなだなんてことをのんきに思っていた。ちなみに出産の後半、恥ずかしさなんてなんのその、いやっちゅうほどおむつ姿を見られてしまう。

着替えを済ませ、担当医に内診してもらう。深夜からきた陣痛のお陰か、子宮口は3.5cm開いていて、2日前の検診では必須と言われていたバルーンを回避できた。『おぉ、これはいい感じだな』と褒められた時、深夜に陣痛を起こしてくれたお腹の子に心底感謝した。


9時20分。

もう陣痛きてるし促進剤無しの自然分娩になるかな?と思ったけど、容赦なく促進剤をぶちこまれた。隣に座る夫はどこか不安げで、『大丈夫(๑╹ω╹๑ )??』と、じっと私を見つめていた。

促進剤を開始して30分ほどで、生理痛より少し辛いくらいの痛みに変化した。無視はできない痛み。でもまだまだ全然話せる余裕はあって、『なんか促進剤効いてきてる気がする』だなんて夫と呑気に話していた。促進剤が効かない体質だったらどうしようと不安に思っていたから、痛みがきたことが嬉しかった。

そのあと大体30分間隔で、少しずつ促進剤の量が上がっていった。


10時
突然破水した。『ボンッ』とお腹の右上が大きく弾かれて、『あら~子はまだまだ元気だね~こんなキックなんかして』だなんて思ったとたん、温水がジャバジャバと股から流れ出てきた。



『やばい、破水した』

『えぇっ(๑╹ω╹๑ )?!』

『ナ、ナースコール押して』

『う、うん、、、(๑╹ω╹๑ )!!』


助産師さんが、『うん、典型的な破水だね!これから順調に進むと思うよ~』と言いながら、ニコニコとした笑顔で促進剤の量を上げて去っていった。


10時半

痛みが辛くなってきた。声はでないけど、『ふぅ~』っという呼吸法をしないと少し辛いレベルまで痛みを感じていた。その姿を見た助産師さんが、『呼吸法必要なくらい痛くなってきた?よかったよかった順調だ。』と言ってきた。痛みが強くなることがいいことだなんて、なんか出産ってバグってるなとか冷静に思った。

隣で夫はずっと、『リラックスだよ(๑╹ω╹๑ )』『ゆっくり呼吸ね(๑╹ω╹๑ )』と、声をかけ続けてくれた。

『リラッ~クス(๑╹ω╹๑ )』と言った瞬間、夫がブゥッ!!!!!!とおならをした。

『お(๑╹ω╹๑ )wwwww俺がリラックスしてしまった(๑╹ω╹๑ )クククククwwwwwwwww』

目を細めてクシャっと笑う夫の姿に、心が和らいだ。雰囲気が和んだ。夫が夫であることが嬉しくなった。けど、痛みがひどいときにこれされてたらどうなってたかは知らん。

内診してもらうと、子宮口は5cmだった。まだまだ耐えれる痛みだったから、もう5cmまできたかと心底嬉しかった。だけど、痛いものは痛い。体感2~3分で痛みがくるから、これからどうなるものかと不安になる瞬間が何度もあったけど、勇気をくれたのは同じ陣痛室で苦しむカーテン越しの妊婦さんだった。

私の向かいにいる妊婦さんは、おそらく子宮口が全然開いていない状態でのお産だったためか、バルーンを入れられていた。内診のたびに、『っっっああぁっ、、、はぁっ、、、っっっいだっっっ』と、聞いてるだけで辛くなる声を何度もあげていた。

その後、急にその方は泣き出してしまって。『どうした?』と助産師さんが聞くと、『内診が痛すぎて、、、』と、シクシクと泣いていた。大の大人が、痛すぎて泣いてしまうだなんて。出産って異世界だなと思ったと同時に、共に頑張ろうぞと勝手に仲間意識を持ちはじめた。

頑張るために、持参したカロリーメイトを食べた。半分は後半のためにとっとこうと思っていたけど、気付いたら夫が食べていた。

『なにたべてるの?』

『カロリーメイト(๑╹ω╹๑ )モチャモチャ』

夫も朝から2時間以上、狭い狭い陣痛室で、決して座り心地のよくない椅子で、なにをすればいいかわからない中、『ベッド下げる(๑╹ω╹๑ )?』『お茶のむ(๑╹ω╹๑ )?』と、必死にやれることを探して支えてくれている。夫も共に、戦っている。カロリーメイトを食べる夫を見て、この人と頑張るんだという気持ちになる。

まだこの耐えれる痛みのときに、お昼ご飯が運ばれてきた。おにぎりと、卵焼き、いちご。全然お腹はすいてなかったけど、体力をつけるためだけに、子を無事に生むためだけに、痛みの合間に必死にかきこんだ。


『待ってまにょちゃん、俺切ってあげる、、、(๑╹ω╹๑ )』

そう言って、夫が卵焼きを箸で一口サイズに切り分けてくれる。痛みの合間はまだ元気だったから全然自分でできたけど、心底夫に甘えたい気持ちになって、切り分けてもらった。卵焼きは、美味しくないけど美味しかった。


11時

痛みがくるたびに、『ハァああぁあ』と声をあげないと耐えられない痛みになってきた。声を出さないと力を抜けない。結構辛い。でも、子が降りてきやすいように横向きに寝たりあぐらをかいたりと、何度か体勢を変える。あぐらをかいた姿勢で痛みを耐えてふぅっと一息つくとき、その都度夫が枕を頭の後ろに置いて支えてくれたのがとても助かった。『お茶とって』『ポカリとって』と言うたびに、夫がストローキャップを開けて飲ませてくれるのもめちゃくちゃ助かった。自分でボトルをとるのさえ億劫なほどの痛みだったから、コロナ禍で1人出産に挑んだ人は本当にすごいなと心底思う。


11時30分

苦しむ私を見て、助産師さんが内診してくれる。子宮口6cm。『まだ6cm?』と、絶望した。

『なんでなんで?すごい順調よ~』と助産師さんが笑う。そして促進剤の点滴を増やす。鬼かと思った。けれど、子を無事に生むためには促進剤をあげるしかないと思うと、そのためにサポートしてくれる助産師さんに感謝できた。

私はたぶん促進剤が効きやすい体質だったのか、この頃から痛みがかなり強まった。『んんんんんあああああぁっ』と痛みで声が漏れる。2分間隔の痛みが怖くなって、NSTの陣痛の数値が上がりはじめるのを見るたびに『やめて、やめて、陣痛やめて』と思うようになった。

でも、声には出したくなかった。せっかく子が私達に会うために強く収縮する子宮の中で頑張ってくれているのに、母である私が『やめて』だなんて言いたくなかった。『大丈夫、大丈夫』『○○(子の名前)が頑張ってる』と何度も声を出して、自分を励ました。子が私達に会うために引き起こす陣痛という痛みを、必死で受け止めた。

でも身体は少しずつおかしくなっていって、この頃から吐き気がではじめた。結果的に吐くことはなかったけれど、痛みと吐き気の2つに同時に襲われているときは本当に辛かった。これが夜まで続くとしたら、絶対耐えられないと思っていた。怖くなった。でも、容赦なく促進剤の投与量は上げられていく。

ちなみに夫はおろおろとしながらでも、腰をさすってくれたり、テニスボールで腰を刺激してくれたりと必死にサポートしてくれていた。けれど私の場合はその行為が痛みの緩和に繋がることはなくて。『大丈夫、ごめんね』と言って夫の手を止めた。夫はこの時、どんな顔をしていたんだろう。



12時頃

この頃からほとんど記憶がない。とにかく痛い。

あぐらの姿勢が一番楽だったので、体勢を変えるのもやめた。菩薩になった気持ちで、じっと痛みを堪え続けた。腰が痛くて痛くて、とにかく痛かった。


12時半

促進剤は容赦無しにあげられる。あまりに腰が痛すぎるから、助産師さんに旦那にマッサージをアドバイスしてくれと頼みこんだ。教えてもらった方法を夫に試してもらうけど、なぜか私にまったく効かなかった。『んぁああぁあっっっ』と言いながらでも1人耐える方が痛みはマシだった。 



13時前

あまりにも腰が痛くて、助産師さんに来てもらう。内診してもらうと、子宮口は8cmだった。『開いてきてるね、いい感じだよ』。いい感じなのは嬉しいけど、このいい感じというワードに喜ぶ余裕なんぞ私にはもう全くなかった。『ま、まだ全開(10cm)じゃないの、、、』と、半泣きになる。

『まにょちゃ、、、(๑╹ω╹๑ )8cmまできてるから、、、(๑╹ω╹๑ )もうすぐだから、、、(๑╹ω╹๑ )力抜いて、、、(๑╹ω╹๑ )息吐くの意識して、、、(๑╹ω╹๑ )』

夫は必死に励まして、優しく腰を撫でてくれる。

頑張るしかない。夫と子のために、私がやるしかない。必死に必死に、呼吸で力を抜く。目を開けて、手の力を抜いて、『この痛みは子が私達に会いたいという気持ちを表したもの』と自分に語りかけて、とにかく痛みに耐え続けた。


13時15分

どぅんっ!っとなにかがお尻からえぐれてでてきそうな感覚に陥った。力を抜こうとしても、『ぐおおおおぉっ』と何かが私のお尻を押し広げてくる。その強すぎる感覚に勝ることはとうていできなくて、フンッっっとお腹に力が入ってしまう。

いきんだらだめ、でも身体がいきんでしまう。

『ナースコールして!!』

夫に強めに頼む。


『さ、さっきみてもらったばっかだよ、、、(๑╹ω╹๑ )まにょちゃ、、、(๑╹ω╹๑ )!』

 

夫は躊躇してたけど、『早く!!早く押して!!!!!!!』と力を強めて夫に言う。この時だけ、『なぜ早く押さないのか』と少しいらつきはした。『あ、私今ちょっと夫にイラついたな、このイラつきは初めてや』とかちょっと冷静に思ったりもした。けど、子を守るためには夫にはナースコールを押してもらわねばならない。この時の私は間違いなく、子を守る、母だった。


13時20分

助産師さんに内診してもらう。陣痛が来てるとき、ほぼ全開(10cm)に近くなってきているらしい。まだいきまないほうがいいけれど、『無理、無理、いきんでしまうどうしよう』とうめきごえをあげる私を見て、『すぐ分娩室用意するね、待ってて』と、助産師さんがバタバタと走り去る。


『んああぁいあぁあっ!!!!!』と言いながら、必死に力を抜く。けれど、中でうごめく子の命のパワーに勝てない。ぐぉん!!!!ぐぉん!!!!ぐわぁぁっ!!!と、何度も何度も膣から出ようと力を加えてくる。


助産師さんが車椅子を持って来てくれる。けど、あまりの痛さと苦しさに、動くことができない。その様子を見て、『陣痛来てても仕方ない!頑張って動いちゃおう!頑張れ!!!』そう言って、夫と一緒に無理やり私を起こし、『んああぁあっ』と声をあげ続ける私を車椅子に座らせてくれた。


『ごめんなさい、うまく力抜けなくて、いきんじゃってごめんなさい』

そう、必死に助産師さんに謝る。


『大丈夫だよ、うまくできてる!大丈夫だからね!!!!!』


ガラガラと、分娩室へ運ばれる。『はぁああぁっっっっっ』と声をあげながら車椅子で陣痛室に移動するなんて、本当にドラマみたいだった。移動中も、ぐおおおぉおっとうごめく子の力に勝てることができず、ブシャァッ、ブシャァッと、大量の羊水かなにかわからないけれど温かいものが股から流れ、いや、噴出し続けていた。

13時半

分娩室に入る。変わらず、痛さよりもいきみ逃がに苦しみ続ける。助産師さんが肛門をおさえてくれないと、子が出てしまう。それくらい、子のパワーはすさまじかった。

1度分娩台を出産の形に変形させ、子宮の状態をみてもらう。子の頭がすでに見えていたらしい。


だけど、どうもこの日は出産がたてこんでいたらしく、先生がすぐに来れなかった。そのためか、分娩台が脚を開く出産の形から、普通のベッドの形に戻されてしまう。お願いだから戻さないで、このまま生ませてと心底思った。


『あとどれくらい?生むまでどれくらいですか?1時間とかかかりますか??』


半泣きで助産師さんに尋ねる。


『もう生まれる!もう生まれるよ!もうあと10分もせず生まれるよ!!!』

やっと終わりが見えて、最後の気力が湧いてくる。そばに立つ夫の腕にしがみついて、とにかくいきみを逃す。何度も何度も無意識でいきんでしまったけれど、『はぁああああっ!!ああああっ!!!!!!』と声に出しながら、なんとか時間を過ごしていく。


夫が『頑張れ、、、頑張れ(๑╹ω╹๑ )』と言いながら私の腕を撫でてくれるけど、多すぎる刺激の中に撫でるという刺激までくわわることに身体が拒否反応を起こして、『触らないで、ごめん』と、夫の手を離す。申し訳なかったけど、でも余分な刺激だった。腕にしがみつかせてもらえるだけで十分だった。

すると、股に子の頭がガコンっとはまっている感覚に気付いた。『はさまってる、、、○○の頭が股にあるっ、、、』


子の誕生ががそこまできていることを実感する。力が漲る。



『赤ちゃんは?赤ちゃんは大丈夫ですか?』



助産師さんに尋ねる。



『大丈夫、とっても元気だよ!赤ちゃんは大丈夫!!!』



会いたい、とにかく子に会いたい。



それだけだった。



『も、もうすぐ生まれますか(๑╹ω╹๑ )?!』


『うん、もう本当にすぐ出てくるよ。お父さん肛門おさえてみる?赤ちゃんのパワーすっごいよ。』



『いや、大丈夫です(๑╹ω╹๑ )』



夫は夫だ。夫は出産前から、出産の立ち会いが少し怖いと言っていた。あまりにも壮絶すぎると友人から聞いていたため、ギリギリまでサポートして出産のシーンはみないと決めていた。私は、夫がその選択をするならそれでよかった。出産のシーンは見れないという夫が、おしりをおさえて子のパワーを感じたいなんて言うはずがない。出産のシーンを見てくれなくても、苦しんでいる私の隣にずっと立って、しがみつく私を支え、夫のふわりとした優しい香りで大丈夫だと思わせてくれるだけでも十分だった。



14時10分

やっとやっと、担当医がやってきた。救世主のよう思えた。夫はサッとカーテンの後ろへと戻る。出産の姿勢になる。状態を確認されている間も、ものすごいお腹の痛みと子のパワーに襲われる。チクチクと会陰切開のための麻酔注射は刺されるし、導尿の管は入れられるし、身体をまっすぐにできないほどの痛みに襲われるし、子は出てこようとするしで、もうわけがわからなかった。『ああぁあぁっっっ!!!』と声をあげて時間がすぎるのを待つしかない。



『もういきんでいいよー!好きにいきんでいいよー!!!!』


もう身体が勝手にいきみまくってたせいで、助産師さんにタイミングを教えてもらいながらいきむという出産ではなかった。もう、『本能に従え』といわんばかりの、好きにしなスタイル。


幸い私の骨盤がしっかりしているせいか、子が出てくるときの骨盤付近の痛みはほぼなかった。ただただ大きいなにかがはさまっていて、それを力で押し出す。ただそれだけだった。お腹もめちゃくちゃ痛いけど、痛みよりも何よりも、自分の身体に何が起こっているのがまったく把握できなくて、『んんんんんっ!!!!!!』と言いながら必死でいきむしかできなかった。



14時16分

2回目のいきみで、子が誕生した。

あまりに必死すぎて、いわゆる『どぅるん』とした感覚は私は覚えていない。ただ助産師さんが、『もういきまなくていいよ!はぁ!はぁ!って力抜いて!はぁー!!はぁー!!!』と私の呼吸を促してくれている間に、子が誕生した。




子は、すぐに大きな声で泣いた。


子が、生まれた。





会いたかった、待望の愛する我が子。




よかった

泣いてる

よかった

生めた

生んであげれた



安堵感に包まれて、ふわりとした感覚に陥った。



呆然としていると、

子が白いタオルにくるまれて

私の胸元へとやってきた。



夫もやってきた。



胸には『んぎゃあ!んぎゃあ!』と泣く、柔らかくて温かい愛おしい我が子。


右には、『お、俺も泣いちゃっ、、泣いちゃった、、、(´;ω;`)』と、優しい瞳からぽたぽたと涙を流す愛おしい夫。



あまりの幸福感に、

『わぁあっっっ』と、涙が溢れた。



私の、私の大好きで大切な家族。



大好きな2人。



愛する2人。



私達は、3人家族。




これが、私達の家族。



これからの家族の形。





よかった、



本当によかった。




私は、幸せだ。




そんな、人生最大の幸福感に包まれる私の身体は、次第にガタガタと震え始めた。


子が連れていかれる。

後処置のため夫も一旦離れる。


先生が胎盤を取り出していく。


『結構出血してるな、、、』

そう言いながら、ぐいぐいとお腹を押される。


『んがぁっ、、、あぁっ、、、』と声が出るほど不快感と痛みが辛かった。


時間がたつにつれ、私の身体は更にガタガタと震えていく。寒くなってくる。


『まにょさん、大丈夫?寒い?』


助産師さんが私の手を目一杯握る。酸素マスクをつけられる。


『大丈夫、、、です』


早く処置を終えて、子と夫と3人で過ごしたい。早く終わらないかな。

そう思っているのに、待てどくらせど処置は終わらない。



『○○入れて』(点滴)

『○○投与しよか』(点滴)

『まにょさんごめん、もう一回ちょっと機械いれるよー』


次々と点滴に繋がれ、処置が続いていく。


『血圧いくら?』

『まだ低いな、、、』


私がうとうととしはじめると、

『まにょさん、わかる?寝ないで、起きてて、頑張って』

両手を助産師さんが握る。電気毛布をかけられる。身体の震えが止まらない。



30分ほどで処置が終わった。



『結構ね、子宮のほうから出血してて。1L以上は出血しちゃったから、震えが来てると思います。ちょっとこのままここで様子見させてくださいね。』

『あ、赤ちゃんは戻ってきますか?』

『うーん、、、ちょっとお母さんの様子見てからやね』



結局、出産後から夫が帰るまでの2時間で、子が帰ってくることはなかった。でも、夫は子が部屋から出る直前に1度抱っこさせてもらえたらしい。よかった、本当によかった。



こうして、私は初めての出産を終えた。



分娩時間が何時間になるのか正確にはわからないけれど、促進剤を投与してから5時間でのスピード安産だった。



私の痛みが長く続かないよう、うまく旋回して無事に元気に生まれてきてくれた我が子には感謝しかない。



子を抱くと、あまりにも可愛くて小さくて。


こんな小さな身体で私の中で頑張ってくれたんだと思うと、抱きながら涙が溢れてくる。



子は、愛おしい。



子を生むメリット、デメリットがよく語られるけど、この『子が愛おしい』というあふれでる感情は、列挙されるメリット・デメリットとは比較ができないなにかがある。



可愛いから、愛おしいから生んだほうがいいとか、そういうことではなくて。




動物の本能的ななにかがそこにはある。


 



ただ思うのは、

この愛おしいが溢れ出す経験をできたことは、


私の人生ににとってかけがえのないものになったということ。





子は、愛おしい。





まにょ。

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