見出し画像

リロケーションダメージについて

リロケーションダメージとは



リロケーションダメージと言う言葉は聞いたことがありますか?
あまり聞き馴染みのない、言葉な気がします。
その意味は、急激な環境変化に適応出来なくて、心身に不調をきたす状態のことを指します。

特に高齢者に多く見られる現象で、環境変化への適応が難しく、そこから不安や混乱に繋がりやすいのです。
ですが、高齢であると、施設や入院などの環境の変化を伴う出来事も増えていきます。

このためリロケーションダメージを対策予防して行く必要があるのです。







その原因



原因としては3つ上げることが出来ます。
1.居心地の悪さ
2.生活リズムの変化
3.人間関係の変化

これらの原因を把握しておくことで、引っ越しや入院の際にも配慮がしやすいです。
また認知症の人の場合は、記憶力や思考力の低下からリロケーションダメージを受けやすいため、注意が必要になってきます。

ここからその原因別の要因を見ていきます。

1.居心地の悪さ
慣れしたんだ生活環境が大きく変わることによる居心地の悪さがあります。
新しい場所では、部屋の周囲や物の配置などを覚える必要があります。
高齢者になると記憶力の低下もあって、生活に慣れるまでにストレスを感じます。

2.生活リズムの変化
病院や施設は起きる時間や決まった時間の食事など、時間に合わせて生活する必要があります。
長く自宅で1人暮らしをしてきた人の場合は、ストレスになりやすくリロケーションダメージとなる可能性が考えられます。

3,人間関係の変化
引っ越しや入院などに伴う人間関係の変化もリロケーションダメージの原因になります。
施設や病院では、スタッフに利用者もいるため、本人によってストレスになることも。
見ず知らずの人と関わることで、緊張したり居心地の悪さを感じたりすることもあります。







症状



症状としては、
●せん妄
●認知症
●うつ病

この3つが起こりやすくなります。
せん妄は、軽度の意識障害の1つとして様々な症状が出てきます。
せん妄は一時的な症状のため、本人のストレスを緩和することで改善することが出来るとされています。

認知症は、リロケーションダメージが認知症のきっかけになったり、症状の悪化に繋がったりすることがあります。
認知症は物忘れなど、日常生活などの社会生活が困難になる状態の総称になります。

症状はせん妄に似ていますが、せん妄は原因を取り除けば治るものの、認知症は進行して行き、現在では治療法がありません。

うつ病はリロケーションダメージがきっかけでうつ病が発症することもあります。
高齢者の場合、身体的な不調が出やすいものです。
特にこういう症状が見られる場合は、うつ病の可能性もあるので、病院へ受診します。

●頭痛
●胃痛
●息苦しさ
●身体のしびれ
●めまい







リロケーションダメージの対策・予防



高齢者が環境の変化から体調を崩してしまう、リロケーションダメージの予防法として、3つあります。

●身体的に精神的にも元気なうちに引っ越しをする
●生活習慣や環境の変化を最小限に出来る先を探す
●少しづつ新しい生活に慣れる

この3つを詳しく見ていきます。
最初に上げた物は、親が遠方に住んでいて、自分の住む地元へ呼びたいと考えた時や、あるいは施設入居を検討している場合など、出来る限り本人が元気なうちに、引っ越しを検討したり、ショートステイなどの経験してもらうなど、少しでもダメージ軽減に繋がるようにしていきます。

2番目の物は、急な環境の変化を出来るだけ少なく出来る場所を見つけるです。
リロケーションダメージは、急激な環境の変化がきっかけとなるので、出来るだけ環境に馴染みやすい対応をしてもらえる場所を見つけておくといいです。

3番目は、少しづつ慣れてもらう事です。
新しい環境では、誰でもやはり戸惑ったり慣れなくて、ストレスを感じやすくなりやすいです。

環境の変化をなるべく減らしていたとしても、リロケーションダメージは起こります。
このため本人が不安がっていたり、ストレスを抱えていないかを注意して、リロケーションダメージの兆候が見られる時は、速やかに正しいアプローチを行うようにします。







環境に不安を感じていたりした場合は



その人だけの場所・空間を用意しておくのも、環境に馴染んでもらうための方法です。
新しい環境と言うのは、自分だけのテリトリーが見つからず、ストレスを感じやすい物です。

自分だけの居場所や落ち着ける先があると、ストレスも和らいで行きます。

施設では個室タイプの部屋があるところを選ぶようにします。
そうすることで本人の馴染みの家具や小物を持ち込めて、自分だけの場所として認識することによって、リラックス出来る場所とすることが出来ます。

共有スペースのみで生活しているのは、社交的でないと難しいものがあります。
気を遣ったり、なかなか落ち着けるものではないからです。

後、本人が望んでいないのに、外出を強要したり、認知症で帰宅願望がある人を自宅へ外出させてしまうと、状態が悪化することもあるため、介護に携わっている人たちと相談するようにします。







まとめ



高齢者は環境の変化に弱いです。
病院で自室が変わっただけで、それだけで部屋がどこだったかわからなくなることがあります。

完全にストレスをなくすことは、難しいですがリロケーションダメージを減らすための方法と対策はあります。
施設の場合は、個室があるところを選択し、呼び寄せる場合は、近距離別居にするのがいいのか、同居がいいのかをしっかり話し合い決めておくのがベストになると思います。

介護歴が約10年くらいの者です。これからの介護の未来とビジネスモデルについて色々思いあぐねています。介護の未来が明るものになるようにしていきたいと思っています。