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電話の受話器を戻せない、エアコンが操作できない、鍵をなくす――認知症のお母さまを、働きながら見守る平田さま

神戸市にお住まいの平田さまは、訪問看護ステーションで働く傍ら、近所でひとり暮らしをしている認知症のお母さまの介護をされています。
お母さまは、食事やお手洗いなど基本的な生活はご自分でできるものの、家事をするのは難しい状態。さらに、だんだんと認知症の症状が出始め、訪問での介護が必要なシーンが増えてきたそうです。

そんな中紹介されたのが、スマートホームサービス「MANOMA」だったと語る平田さま。今回は、認知症ならではのお困りごとを解決できたエピソードを、たっぷりとお伺いしました。

〜お話を伺った方〜
コウダイケアサービス株式会社
訪問看護ステーションうさぎ スタッフ 平田さま
 
神戸市在住。大学生の次男と長女を中心とした家族の協力を得つつ、家から徒歩5分ほどの実家でひとり暮らしをする母の介護を、働きながら担う。母の認知症が進み、従来の介護には難しさを感じ始めていた。

認知症が進み不安に…タイムリーに知ったMANOMAの存在

平田さま:1年前と比べて大分認知症が進んで、漠然と「どうしよう」と思っていました。

そんな中、平田さまのお勤め先であるコウダイケアサービスの社長・毎田さまから、MANOMAを提案されたそうです。

平田さま:聞いたときすごいタイムリーで。社長がご実家で使われているので、スマホを見せてもらいました。「ちょっと試してみよう」っていうタイミングだったんです。

早速、MANOMA「親の見守りセット」(室内カメラ1台、開閉センサー2台)に、室内カメラ2台とスマート家電リモコン2台、玄関錠を遠隔操作できるQrio Lockを1台追加し、お母さまのご自宅に設置されました。

困りごと① 受話器を戻せず、電話がつながらない

平田さま:電話した後に、受話器をその辺に置いたままにしてしまい、次かけたらかからなくて…。「どっか置きっぱなしにしてるわ」と、見に行かないといけないってこともありました。ちょうど受話器を戻すのができなくなってきたタイミングでしたね。今は会話は電話じゃなく、室内カメラごしにしています。

室内カメラでの会話なら、お母さまが受話器を手に取る必要がなく、受話器を戻せるかどうかの心配もありません。難しさを感じ始めていた電話でのやりとりをせずに済むようになったことで、スムーズにコミュニケーションが取れるようになったそうです。

困りごと② エアコンの操作ができない

平田さま:エアコンを多分自分で操作できないから、この夏になる前、どうしようかなと思ってたんです。

記録的な猛暑になった今夏。MANOMAの「スマート家電リモコン」でエアコンを遠隔操作することで、お母さまの快適な生活をサポートできたそうです。

平田さま:スマート家電リモコンは、エアコンを使うリビングと2階の寝室につけています。設定温度でつけた後に、アプリで温湿度のグラフを見るんです。下がり始めたら、1時間2時間後にまた温度や湿度を確認して。家族みんなでエアコンの操作をすると、最後誰が何度にしたかわからなくなってしまうので、室内カメラでエアコンの風のところが開いていないかも確認しています。

困りごと③ 行動を記憶できない

平田さま:今まで、自分では「夜中にトイレなんか行ってないよ」と言っていたんです。でも開閉センサーを寝室のドアにつけたら、2回くらい行っているのがわかりました。スマホに開閉センサーの通知が来るようにしていて、朝新聞取りに行ったときの玄関の開閉で、「この時間起きてるな」というのも確認しています。

認知症の方は、行動の記憶や調整が難しいケースが多いです。ご本人が把握しきれていない行動や、リアルタイムで見守りにくい深夜帯のできごとの確認は、生活リズムの把握や健康状態の推察につながります。早期にかかりつけ医や介護スタッフに相談でき、適切な治療や介護を受けることが可能です。

困りごと④ 窓や玄関のドアを閉め忘れる

生活の様子を室内カメラで見守っていると、窓を開閉する回数が不自然に増えていることに気づいたそう。

平田さま:室内カメラで見ていたら、ちょっと認知症が進んできたのか、窓を開けたり閉めたりの回数が増えてきました。なので、鍵をかけ忘れていないかとか、窓は閉まっているのかとかが気になってきて…。開閉センサーを寝室に設置するのをやめて、1階の窓につけようかとなりました。最近玄関の鍵のかけ忘れが多いので、遠隔で操作ができるQrio Lockも活用しています。

認知症が進んでくると、生活面だけでなく、窓や玄関を閉め忘れることによる防犯面の心配も増えてきます。平田さまは、複数の機器で見守ることで今の状態を知り、親御さまにより合った見守り方や見守り箇所が選べたようです。

困りごと⑤ 物をなくす、どこに置いたかわからなくなる

認知症の方は、ものをなくしてしまったり、いつもと違う場所に置いてしまったりすることもしばしば。そんなとき、室内カメラのリアルタイム映像や録画が、大いに役立ったと語ります。

平田さま:デイサービス用のカバンをいつも玄関の同じところに置いておいてと話しているんです。それがなかったら室内カメラの映像を見て、「あそこに置いてあるから玄関の箱に戻しておいて」と声を掛けています

デイサービスに行く際に家の鍵がどこにあるのかわからず、困ったこともあったそう。しかし、室内カメラの録画とQrio Lockでの遠隔施錠で、すぐに対応できたと喜ばれていました。

平田さま:デイサービスのときに、介護スタッフの方から「鍵がないです」って電話がかかってきたこともあって。後から録画を見直して辿って行ったら「あそこに置いてたやん!」とわかりました。鍵が見つからなくても遠隔操作できるので、デイサービスの人にも「あとで鍵閉めますから、行ってください」って言えるのがいいですね。

困りごと⑥ 転倒やケガが心配

高齢の方は、万が一の転倒や怪我も心配です。平田さまは、複数箇所に設置した室内カメラの映像を確認することで、日々の安全も見守っておられるそうです。

平田さま:普段そんなにないですけど、部屋の中で転んでないかですよね。どの室内カメラにも映っていないと「うわっ」と思うんですけど…寝室で寝ていなかったらトイレか洗面所かな?と、戻ってくるまで確認しています。

実際、一度転倒したこともあったのだとか。ご本人がよく覚えていらっしゃらなくても、室内カメラの録画映像を確認して様子を把握できたと語ります。

平田さま:ご近所の方から連絡があったんですけど、玄関を出て門のところで転んだみたいなんです。時間帯とかもはっきりしなかったので録画を戻ってみたら、室内カメラの横を通って顔がアップになったので、顔の傷も確認できて。本人が覚えていないところも確認できる。いつでもリアルタイムで見れるのと、録画で戻って見れる・確認できるっていうのは安心ですね。

困りごと⑦ デイサービスの準備ができず、確認のために訪問が必要

MANOMAを導入し、今までは行かなければどうにもならなかったことが、遠隔でケアできるようになったことも、大きな変化だと言います。

平田さま:母の家に行くのは、デイサービスの用意と、帰ってきた後の荷物の片付けや洗濯がメインです。デイサービスの前は、荷物一式を準備していつものところに置いて、あとは当日の着替えですね。今までは自分で着られていたのが、着替えるときに服の確認をしないと、寝巻きをそのまま履いてたりとか、2枚重ねて着ちゃったりとか…。「ちょっと違うよ」ということが増えていました。

荷物の準備は前日でもできますが、服の確認は当日行う必要があります。MANOMAを導入する前は、着替えが上手くできないときは、お母さまの自宅に行って手伝っていたそうです。

平田さま:今は室内カメラで見ながらの声掛けです。映像で見ていたら「それ違う!」って言えるので。

映像を見ながら指示を出すことで、お母さまが混乱されていても的確にフォローできるようです。朝の忙しい時間の訪問頻度が減ることで、介護負担の軽減にもつながったのではないでしょうか。

平田さま:ケアマネージャーさんが来られたり、他の施設のデイサービスの方とかと話が出たりしたときに「なにそれすごい!そんなんあるんや、教えて!」とよく言われます。

認知症の方は、多くの生活リスクやご不便を抱えていらっしゃいます。平田さまへのインタビューは、MANOMAが認知症の方の快適な生活と安全をサポートできるだけでなく、ご家族の介護の負担そのものを減らせた好例となりました。

【特別コメント】介護離職を防げるMANOMAに、経営者も注目

介護負担の軽減は、企業の雇用側にとっても重要な問題です。平田さまがお勤めされているコウダイケアサービス社長・毎田さまは、こう語ります。

毎田さま:ひとり暮らしのお母さんの認知症が進んで毎日介護が必要な状況で、実際問題、平田も離職しなければいけなかったかもしれない。でもMANOMAがあれば、アプリをちょっと見れば様子が確認できるから、安心して仕事もできますよね。介護業界は常に深刻な人材不足なので、介護離職せずに働き続けてもらえて本当によかったです。

〜お話を伺った方〜
コウダイケアサービス株式会社
社長 毎田さま
 
神戸市在住。訪問介護をはじめとする医療・福祉事業を展開する、コウダイケアサービスの代表取締役。ご自身も、埼玉県にお住まいの高齢の親御さまをMANOMAで見守っている。「介護業界の人材不足対策や働き方改善、そして介護離職を防ぐ住まいの仕組み作りのためにも、積極的にIoTの導入を検討していきたい」と語る。
 
・一般社団法人 日本在宅介護協会理事
・一般社団法人 全国定期巡回・随時対応型訪問介護看護協議会 副会長
・兵庫県シルバーサービス事業者連絡協議会 副会長
・神戸市シルバーサービス事業者連絡会 副会長

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