相惚れ自惚れ片惚れ岡惚れ…の話
知り合いの年下(♂)から「僕ってナルシシストっぽいですかね?」と髪をかき上げながら聞かれました。
ああ、あの水面に映った自分に恋をしてそのまま溺死した人ですよね?
ということで、自惚れについて考えてみます。
自惚れはあります。
誰でも一度や二度、自分の姿や作品に惚れ惚れしたことはあると思いますが、
なぜ彼は溺死するまでに至ってしまったのでしょうか。
周りに自分よりも美青年がいなかったのかもしれませんね。
環境が悪かったとも言えます。
脳理学的に考えますと、自分が美しくて美しくて理想的すぎて脳内にドパミン物質が過剰となり、
他者への賛美や共感や理解を司る脳の機能が働かなくなると、
脳は水面に映る自分に支配されることになります。
理想的な美しい自分に自分が支配された状態。
そうなると、他者からでなく自分に愛されたいと望むようになるのでしょうか。
怖すぎる(笑)
自分に支配されたナルキッソスは自分を愛しすぎて、やがて水辺から離れられなくなります。
食事よりも狩りよりも水辺で自分を見ているほうが好きだったのでしょう。
そうして彼はみるみる痩せ細っていきます。
ここでちょっとフロイト理論を入れると、
ナルキッソスは口唇期に不満足な育ち方をしたのではないかと考えられます。
赤ちゃんの頃に「食の楽しみ」を得られていなかったのですね。
口唇期の心の渇きを、食べることよりもキスで埋めようとしたナルキッソスは、そのまま水に入っていきました。
というわけで…
冒頭の知り合いの年下(♂)はよく食べるので、ナルシシストではないという結論になりました。
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