オンラインお茶室くらぶはうす
にじり口
クラブハウスを知っているだろうか。最近はテレビでも取り上げられ、注目が高まっている、アレだ。招待制音声配信アプリで、今はまだ、iphoneしか対応していない。ほかのアプリや配信ツールと決定的に違うのは、
ここに入るには、招待状が必要だ。
電話番号をお互いに知っている関係だけが入れる。
世界的に、あちらこちらでこのつながりが広がりつつある。
特異性は、縁故制度だけではない。録音不可、口外禁止のライブ配信のみ、という配信条件だ。加えて、独演ではなく必ずコラボレーション(対談とかディスカッションとか)配信、つまり、二人以上での配信という条件である等々、にじり口の向こう側は、ルールがしっかりいているようで、謎めいている。
招待状は、スマホの電話番号のショートメールで送られて来る。
そのリンクから入って、自分の情報を登録する。それが、入口。
オンラインお茶室
クラブハウスのにじり口を入ると、それぞれの茶室(room)が設けられている。
ルームと呼ばれるそのくくりは、全てライブ配信なので、後から聞くことはできない。一期一会の時間。
従来のラジオの基本のように、一方通行の音声配信ではなく、リスナーがトークルームに上げられることもある、双方向性のルームだ。
ただし、室内で起こっていることは、口外しないことが鉄則だ。
かつて、お茶が戦国武将たちのたしなみであった時代
お茶室では、刀を抜いて丸腰での会話を、楽しんだという。
茶室は、五感を芸術的に楽しみながら、商談、政談、「ここだけの話」が語られる場だった。
クラブハウスは、まさにオンライン上の現在のお茶室じゃないか。
信用ベースの世界
録音しない、アーカイブ残さない、紹介制、というクラブハウス。
しかも、相互方向の音声コミュニケーションを前提としている。
このシステムが育む文化は、21世紀型のフラットさと風通しのよさを生んでいる。
「誰でも入れない」という閉鎖性は、紹介という担保で裏付けされた「信頼関係」を前提としている。
紹介者は、電話番号を知っている関係の人でなければならない。
入会後もずっと、縁故関係は記録されている。
この縛りが、安心感を生む。
もし、クラブハウスの規定に反すると、使用不可=垢バンと言われる「締め出し」を食らう。その紹介者までも、という話もある。
オンラインお茶室クラブハウスは、違反ペナルティで制御された信用ベースで成り立っている。
クローズドとオープンの音声配信
このクローズドな信用世界でありながら、オンラインの特性として、ワールドワイドな交流が可能になるというオープンさ、バリアフリーさ、というコントラストが、クラブハウスの面白さだ。
信用、出会い、シェア、をつなぐすべては、声と言葉。
音声配信は、YouTubeなどの動画配信よりは、ハードルが高くない。
公開電話みたいなもの、と説明しやすい。
しかも、世界中のメンバーが自由にルームに出入りできる。
閉鎖性と開放感を併せ持つこのシステムは、クラブハウスならではの特性だ。
ここから生まれるもの、見えるもの
このシステムの使い方は、実に様々で、立ち上がった部屋には個性が現れる。
情報のやりとり、関係性、全てにおいて、世界観が浮き彫りにされる。
自分とは何者であるか、どんな世界観で、どんな人間関係を持とうとしているのか、自分と世界の真実が現れる場所、それがクラブハウスかもしれない。
ビジネス、ディスカッション、教育、同好会、などなど、様々な部屋が立ち上がっていく。そこにフラッと入って話を聞き、波長が合えば、トークの中心になっていたりすることもあるし、そのまますうっと静かに消えることもできる。このオンとオフの自由さもまた、魅力かもしれない。
風の時代のオンラインお茶室、クラブハウス。
ここからどんな世界が立ち上がっていくのか、育っていくのか、それは、人それぞれ、多様性に満ち満ちている。