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私が好きな日本の現代純文学小説

☆今村夏子『こちらあみ子』-読んでて面白いけど、ちょっと悲しくて切なくなる。読み手の感情を揺さぶるのがうまい書き手。狙っているとは思わせない、しれっとした天然ボケ的語りの妙。

☆藤野可織『爪と目』-文學界新人賞受賞作『いやしい鳥』とはまた違ったしっとりとした二人称で、意表をつかれた。

☆滝口悠生『寝相』-私にとって滝口悠生の小説は癒しだ。人と人とのふれあいが、いつも温かい。

☆桜井晴也『世界泥棒』-読み終えたあと骨が抜かれたように感じて、しばらく呆然としてしまった衝撃的な作品。小説がこんなに人の心に影響を与えるんだと。

☆鈴木善徳『髪魚』-何年経っても忘れない。私のツボを見事に捉えた。グロテスクな髪魚に接する主人公がやたらと落ち着いているところが愉快過ぎる。そして、ラストああ悲しや。

しかしこうしてリストアップしていくと、私、万条由衣は、直近の話題作はお気に召さないようである。
だから自分は新人賞とれないんだなぁ。

☆川上弘美『蛇を踏む』-私が小説を書くきっかけになった川上弘美は、金井美恵子とともに私の小説の神さまだわ。

☆金井美恵子、彼女の作品は-ご自身も仰ってるけど-「小説」というより「エクリチュール」と称されるものが多い。文章やモチーフが好き過ぎる。頭と目だけで読むのではなく、呼吸とか息づかいを、文章と同期させながら読むという、特異な読書体験ができる。

ざっと思い返してリストアップしてみた。また、思い出したら追加してみようっと。


万条由衣







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