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はじまりの日ー3
【場面:放課後・校庭】
自己紹介が終わり、授業も軽く流される程度で、あっという間に放課後になった。
【相沢直哉】 「おい、悠斗!帰り道、一緒に行こうぜ!」
直哉が元気よく俺を誘ってきた。
【佐倉悠斗】 「あぁ、いいよ。」
俺たちは教室を出て昇降口へ向かった。そこにはすでに柊兄弟と未来が待っていた。
【柊日向】 「おっ、悠斗たちも来たな!一緒に帰ろうぜ!」
【柊颯太】 「……まぁ、一人で帰るよりいいか。」
【佐々木未来】
「相沢とは小学校のときからの腐れ縁なんだよね。あんまり一緒にいたくないけど、なんかついていっちゃうんだよね。」
未来が直哉を横目にしながらため息をついた。
【相沢直哉】
「ひどい言い方だな!俺だって未来と一緒に帰るのが楽しみなんだぜ?」
【佐々木未来】 「その軽いノリが嫌なんだってば。」
未来と直哉のやりとりを聞きながら、俺は思わず小さく笑った。
こうして、自然と仲良くなったメンバーで帰ることになった。
【場面:商店街の駄菓子屋】
帰り道に商店街を通ると、小さな駄菓子屋があった。店先で小学生が楽しそうにお菓子を選んでいる。
【相沢直哉】
「おー、懐かしい!小学校のとき、こういうとこでよく買い食いしてたな。」
【佐倉悠斗】 「そうなのか?」
【佐々木未来】 「ばか!小学生も中学生も買い食いは禁止よ!!」
未来が真っ当なことを言う。
【柊日向】 「だからこそ、やる価値があるってもんだろ!」
【柊颯太】 「……あんまり堂々とやるなよ。」
周囲を気にしながら、俺たちは店の中に入った。
こそこそと選ぶのが、何とも中学生らしい。
【相沢直哉】
「よし、俺はコーラ味のキャンディー!悠斗、お前も何か買えよ!」
【佐倉悠斗】 「うーん、特に……。」
【佐々木未来】 「はい、これあげる。」
未来が小さなグミの袋を俺に差し出した。
【佐倉悠斗】 「え、いいのか?」
【佐々木未来】 「うん!お菓子はみんなで分け合うのが楽しいんだよ。」
俺は一瞬迷ったが、彼女の笑顔に負けて受け取った。
【佐倉悠斗】 「……ありがとう。」
なんとなく、未来のことをじっと見つめてしまう。
彼女は何も気にせず、他のメンバーと会話を続けていたが、俺は少し気になり始めていた。
こうして、俺たちは駄菓子を片手に商店街を抜けていった。
【場面:公園】
帰り道の途中、公園が見えてきた。
【柊日向】 「おー!ちょっと休憩しね?」
【相沢直哉】 「いいな!俺、ちょっと体動かしたいし!」
みんなで公園のベンチに座り、買ったお菓子を食べながら話し始めた。
【柊日向】 「そういえば、悠斗ってなんでサッカーやめたの?」
突然の質問に、俺は少し言葉に詰まった。
【佐倉悠斗】 「……あまり好きじゃなくなったんだ。」
【柊日向】
「そっか。でもさ、サッカーが嫌いになったわけじゃないんだろ?」
【佐倉悠斗】 「……。」
【佐々木未来】
「人には色々あるんだから、無理に聞かなくていいでしょ。」
未来がさりげなくフォローを入れた。
【相沢直哉】
「まあまあ、その話は置いといてさ。これから楽しいこといっぱいあるし、とりあえずは仲良くやってこうぜ!」
【佐々木未来】
「そうだね!中学生活は始まったばかりなんだから、のんびりいこうよ!」
俺は少し考えた後、静かに頷いた。
新しい友達との時間は、意外にも心地よかったと感じた。