【2024年9月/10月】2024年観た映画

※評点のレンジとしては、
4.3〜5.0点が「人に映画館で観ることをお勧めしたい映画」、
4.0〜4.2点が「良い作品だけど人に映画館で観ることをお勧めしたいほどではない映画」、

3.0〜3.9点が「まあまあ」、または「良い(good)」、
〜2.9点がどっちかっていうとマイナス評価
です。このレンジ(マイナス評価)の作品については、もちろんそれを好きだという方もおられると思うので詳細は書きません。

【宣伝】kindle本を出してみました。


■2024年9月

・45 風が吹く時【日本語吹替】 ──4.4/5.0
(9月・アップリンク吉祥寺公式サイト / X(ツイッター)

・46 パドレ・プロジェクト ──3.9/5.0
(9月・アップリンク吉祥寺公式サイト / X(ツイッター)

・47 ルックバック ──4.8/5.0

2回目の鑑賞で、4.7→4.8。原作は既読済み。一応個人的にはここまでで今年一番の点です。

上映時間は1時間、料金は一律1,700円で観る価値はあるのか? と思って渋っている人は、ぜひ観たほうがいいんじゃないかと思います。原作を読んでいて、映画で見る価値はあるのか? と思っている人にもぜひ薦めたい作品です。

今回2回目の鑑賞のあと、読まずにとっておいた『CUT』(ロッキングオン)掲載の原作者藤本タツキ先生のロングインタビューを読みました。残念ながら期待していた、(京アニ事件をバックグラウンドに描かれた、と言われている)原作を描いた動機や、何を伝えたかったのか的なものははっきりとは書かれておらず(個人的にはおそらく先生が拒んだのではないかと思っています)、見出しにもなっていた「自分の生活を変えるような出来事とかトラウマ的な経験があった時、それをマンガに描いてどこまで消化できるだろうか、という気持ちがあった」「とにかくドラマじゃなくて背中を見せようと思った。何を描いてるかはわからなくても、背中を伝わるものがあると思ったから」という言葉が印象的に残りました。
それを踏まえて、あえて先生の伝えたかったことをこうなのではないかと言葉にしてみるのなら、

「作り手の命は軽くない」

ってことなんではないかな、と思いました。

教室で、家でマンガばかり描いている主人公・藤野に、クラスの友だちや家族は心配を装って(が正しい、と思うのですが)、「もう止めたら?」「それを続けて何になるの?」という言葉を投げかけます。
つまり、マンガを描くという行為に価値を見出していない。
それは先生の実体験に基づいた、「描く」ことについての、周囲、社会、世間から与えられてきた「評価」であり「実感」なのではないかなと思います。
描くという行為を、その価値を認めてもらえず、それでも描き続けて、その果てでプロの世界へと飛び込み、それでもまだ成功するかどうか、生活できるのかどうかわからない。

翻って、殺人というのは、相手のことも自分のことも、あらゆる意味で想像力を失い、その価値を軽視した人が犯してしまうものなのかなと個人的には考えます。

自分「たち」の仕事や、そして命は、「軽く見られがち」なのだ。
そんな思いを、あの事件を通してさらに強く抱いたのではないでしょうか。

だからこそ、「描き続ける」藤野の背中を描いた。
小学生からずっと。大人になってもずっと。きっと、これからもずっと。

私「たち」の背中は、軽いだろうか。

軽いわけがないだろうと。

そう伝えたかったのではないでしょうか。

単純にアニメーション作品としては、昨年の『THE FIRST SLAM DUNK』の先を行っている感じがしますし、Haruka Nakamuraの音楽も、(私はいままでそこまで好きじゃなかったんですけども)とても良いです。そしてそのどちらもを堪能するのに、映画館は最高のフォーマットだと思います。ぜひ。

(9月・アップリンク吉祥寺公式サイト / X(ツイッター)

・48 ボレロ 永遠の旋律──4.0/5.0
(9月・アップリンク吉祥寺公式サイト / X(ツイッター)

【宣伝】kindle本を出してみました。

■観たい映画リスト

・リッチランド → 見られず…残念
・マミー
・フレデリック・ワイズマン傑作選〈変容するアメリカ〉※シアターイメージフォーラム
・ナミビアの砂漠
・ぼくのお日さま
・Cloud
・ぼくが生きてる、ふたつの世界
・HAPPY END
・西湖畔(せいこはん)に生きる
・セッションマン:ニッキー・ホプキンズ ローリング・ストーンズに愛された男
・ロール・ザ ・ドラム!
・忘れない、パレスチナの子どもたちを
・本心
・ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ
・グラディエーターII 英雄を呼ぶ声

【宣伝】kindle本を出してみました。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?