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羊の群れの中で眠りから覚める

曇天に龍の影が近づいている
気がつけば丸腰の私が横たわっていた
嵐が来ることを自覚しながら不覚にも眠るように思索ばかりしていた 

動けない案山子のように

風向きが変わり 死神が生暖かい吐息を撒き散らしている
空を駆ける狼の唸りに興奮した子供達の声が夕暮れに響きわたる
西洋兜に身を包む英雄 もしくは神々に守られる王妃の夢から目を覚ます羊
ただ 群れをなして一匹として逃げようとせず かといって 鳴いて助けを求めるでもなく沈黙を守り ただ羊飼いを見失うことに怯えじっとしている

夢をみることで 生き延びてきた私は一匹の羊であったことを受け入れる
動き出さなければ 決して羊ではないことに気づきやしない

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