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月と六文銭・第十四章(16)
田口静香の話は続いていた。厚労省での新薬承認を巡る不思議な事件の話に武田は引き込まれ、その先の展開に興味を示していた。
パイザーのスペシャリスト・ウェインスタインは夜な夜な女性とドライブに出かけては、彼の特別な力を発揮していた。
~ファラデーの揺り籠~(16)
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守衛にチケットを見せて、ゲートを開けてもらい、地下駐車場のランプを駆け上がって、一般道に出た。カーナビは最寄りの首都高の入り口ランプへの道順を表示していて、ウェインスタインはその通り走った。
一般道では、信号がどんどん緑に変わって自分たちの車は止まることなく首都高のランプまで来た。ETCが搭載されていたので、これも一気に登り、合流車線から2車線しかない首都高環状線に入った。
日本ほどの国で首都を巡る高速道路が2車線しかないとは驚きだ、とウェインスタインは呆れていた。片道4車線くらいあると想像していたので、拍子抜けしたとしか言えなかった。
車は一気に加速し、女性は流れるような運転に心地よさを感じて、うっとりしていた。3000回転程度のRPMが子宮に気持ちいいのか、静かに興奮度が高まっていた。
ウェインスタインが右手を出すと、彼女はそれを握り、手から伝わる脈拍を感じた気がした。実際には自分の心臓のドクンドクンと脈を打っているのを感じていたのだが、それが快感に変わり、下半身が熱くなっていくのを感じた。
「この車、凄いね。気持ちいいわ」
「車じゃない、あなたの体の中から快感が沸き起こっているのだ」
ウェインスタインはハンドルを握る左手の親指と中指をしばらくこすった後、ぐっとハンドルを握った。女性は我慢しているのか、眉を寄せ、唇を噛んで、快感が押し寄せるのに耐えている様子だった。
ウェインスタインはもっと強くハンドルを握り、自分の右手を握る女性の手にかなり力が入っているのが確認できた直後、左手をパァーンと開いた。
女性はガクガクと体を揺らし、白目を向いて一気に絶頂に達した。息は荒く、ウェインスタインの手を握る手には力が入り過ぎて爪のところが白くなっていた。顔全体に汗をかき、過呼吸の様に大きめの胸が上下に激しく動いた。
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