月と六文銭・第十四章(10)<先行公開>
田口静香の話は続いていた。厚労省での新薬承認を巡る不思議な事件に武田は引き込まれ、その先の展開に興味を示していた。
議員秘書の浜辺美里は担当議員の堀敏夫の死に直面して、対応に苦慮していたところに思わぬ来訪者が登場したため、さらに混乱をしていた。
~ファラデーの揺り籠~(10)
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ドアを開けた瞬間、何かおかしいと感じたが、状況を理解できないでいた。開けたドアの先に先程打合せをした米ファーマの社員が立っていた。
「ミス・ハマベ、ミスター・ホリのことは口外しないように