第10回「ネーム」は設計図、「ペン入れ」は仕上げ作業。
マンガ家は、ネーム→下描き→ペン入れ→仕上げという流れ作業をしているため、ネームが「どんな仕上がり原稿になる」のか想像できるものです。
ところが、「ネーム」は設計図でしかなく、「完成原稿」は手が加えられ「ラフなネーム」と比べて印象が異なる出来となることに気づき、驚きました。
それが実感できたのは、マンガ家としてリタイヤし「仕事から離れて客観的に自分を見る」事ができたからだと思います。
20年前に描いたお気に入りのネームにペン入れをしてみようと思いつき、ペン入れ・仕上げをしたら「完成原稿が意外な出来」となっていて驚いたのです。
長時間マンガ家をしていないと、「ネームがどういう原稿になるのか見えなくなってしまう」と分かったのです。
マンガというものは「ネームだけでは完成したことにはならない」と改めて自覚しました。
「ネーム」と「仕上げ作業」は「一体化」しているものであり、「一体化して始めてマンガを完成させる」事で「作業は完了する」ということになります。
その工程こそが「マンガを描く楽しさ」なのではないのか・・・と思います。
ネームを「仕上げる作業の面白さ」と、ネームで作り上げたイメージが「どう変わるのかの楽しさ」を解説しますので、参考にしていただけたら幸いです。
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