🌠「発想は同じでも設定によって別のマンガになる」という実例の紹介
持ち込み時代の話ですが、思いついた発想に夢中になり「マンガにすれば面白い作品になる!」と確信し描いたマンガがあります。
当然のことながら描き上げて(担当編集者)に持ち込みました
超有名なSF作家「アイザック・アシモフ」が作ったSF世界で「ロボット3原則」というものがあります。
ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。
ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。
「ロボットが人を襲う」という「あり得ない出来事」を描いたら、面白くなりそうだな・・という発想に取り憑かれてしまいました。
「ミステリアスでサスペンスフルなマンガになるに違いない」という思いを止める事はできず、早速描き上げ持ち込みをしました。
描き上がった時点では、「良く描けたぞ」と自信満々で担当の方に見せたのですが、相手にされず即「ボツ」でありました。
なぜダメだったのだろう・・と真摯に見直して、気づいた「2つの事」がありました。
①筋立てを「探偵モノ」にしたので、解説をセリフメインの展開にしたため、やや回りくどくテンポがないこと。
さらにセリフが多いため、読むのが面倒になっていること。
②キャラクターが大事だという思い込みがあり、主人公のキャラクターを「イイ奴」という性格を付け加えたことで、人情的な人間ドラマが紛れ込んでしまい「出来事の展開」がぼやけてしまっていること。
今から思うと、マンガ描き初心者が「落ち込んでしまいがちな失敗」だと思います。
・自分が描こうとしていることを、くどいほど丁寧に描いてしまう事であり、それをセリフに頼ってしまうこと。
・ちょっと「イイ話」をエピソードとして紛れ込ませると、評価が上がるのではないかと勘違いすること。
まず持ち込みが即「ボツ」になった作品をご覧ください。
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