適職の見つけ方:「できてしまうこと」に着目する
人間誰しも困っていることが、「どんな仕事をすればいいのか」ということです。 これについて僕が思うことを話します。 どう適職を見つければいいのかというと、 自分の「体質・気質」にあったものを仕事にするというのが結論です。
自分に合う仕事というのは、「努力しなくてもある程度の成果が出るもの」です。 例えば、「オレって他のやつより営業に向いてる」と肌感で(経験で)わかっている人。 そういう人は営業職で稼げばいい。 生きていれば自分の体感で「向き不向き」がだいたいわかってくる。 大学生の時にアルバイトをするとか、20代、いろんな仕事をしてみる(1、2回転職してみる)。そうすると大まかに「カラダをベース」にわかるんですね。
ここで大事なのが、「頭で考えない」ことです。 「自分の理想の働き方は何だろう」みたいな感じで考えても、それは外れている場合が多いんです。理想・妄想は、いくらでも出来てしまいます。 自己啓発でも、「理想の自分を思い描いて、そこから逆算をしましょう」みたいなコーチング系の本がたくさんありますが、 あれは現実的ではありません。「理想は叶う」「人間は何にでもなれる」という前提の理論。これは間違っているんですね。ものすごく古い人間観(環境決定論)に基づいたアドバイスです。 人間は何にでもなれる存在ではありません。 持って生まれた遺伝的構成によってなれるものが決まっています。 ですので、「自分にできるもの」を仕事にしないといけないんですね。
「自分にできるもの」の見つけ方を知れば、 みな適職に就ける(その結果、社会が最適化される)。そうすると生産性が今よりも100倍、200倍上がる。 そうすると、福祉も充実するし、科学も医療も進歩する。
どうやって自分の適職を見つけていけばいいかというと、 これはいろいろなものをやってみて、「自分の体がどう反応するか」です。 継続できないものは向いていません。 向いているものは何も意識しなくても、できてしまうものです。 それがあなたに向いているものです。 それはあなたの理想と違うかもしれません。理想と現実ってまったく違いますからね。 小学校、中学校で理想としていた職業に就ける人ってどれくらいいるかって話ですよ。 おそらくみんな理想とはかけ離れた人生になっている。
理想ではなくて自分の体感ベースで判断していくと、 大まかに自分に合った職業がわかってきます。 あとはそこで微調整を繰り返していけばいい。 いちばん適職を見つけるのにやってはいけないことがあります。 それが「憧れを追ってしまう」ことです。 例えばミュージシャンに憧れる。 学生時代に聴いたバンドの音楽が好きで、「自分もなりたい」って思う。 これが一番やってはいけないことです。 人間が憧れるときというのは「自分にないもの」なんですね。 自分にその素質とか才能がないときに憧れます。
この憧れという感情は進化の過程でどう役立っていたのかというと、協力するために必要だったんですね。 自分にないものを相手が持っている。 相手に頼れば自分の能力が拡張します。そうすれば生存・繁殖に有利です。例えば狩猟が上手い人がいた時に、その人に憧れることによって友好関係を築くことができる。獲物を分けてもらうとか、狩りのアシストをしてもらうとか。 そういうふうに人間は、憧れることによって自分にないものを持っている人と協力することができたんですね。 なので今でも人間には憧れの感情が埋め込まれています。
困ったことに現代では、「人は何にでもなれる」という、リベラルの綺麗事が一般的ですから、「憧れを仕事にできる」と、教えられるんですね。「あなたの憧れのスポーツ選手は?」とか「憧れの仕事は?」みたいな感じで聞きますよね。これにみんな答える。そうすると、自己暗示にかかって、「自分はお医者さんにならなければいけないんだ」とか「自分はプロサッカー選手にならなければいけないんだ」と、どんどん自分を縛ってしまう。
ただ、憧れているものですので、叶わないんですよね。才能がないので努力が実らない。どれだけ訓練しても第一線で活躍できない。ものすごくストレスが溜まって、病んでしまう。これっていうのは全部、憧れを追っているから生じることなんですね。適職を見つけるときは、憧れを追ってはいけません。憧れというのは、趣味でやる分にはいいんですよ。音楽を趣味でやるとか、絵を描くとか。そういうのはもう趣味で、お金が絡まないところでやればいい。
仕事は、食っていくためにやるものです。綺麗事で成り立つものじゃないです。 そして仕事は、毎日やることですので、向いてないと毎日が地獄になってしまいます。人生100年時代ですから、だいたい70年くらいは仕事をするわけです。ですので、自分の適職を見つけるのは本当に大事なんです。みんな30歳とか40歳くらいまで探すと思うんですね。その時に、今回の話を思い出してほしいんです。
体感ベースで好き嫌いを見極めていく。「できてしまうもの」を見つけていく。苦労しなくても、毎日気づいたらやっていたということで、「それで価値を出せるか?」ということです。 例えば、料理が好きで、毎日レシピを考えている人は、「料理で価値を生んでお金をもらう」っていう人生にしないといけないんです。 今だったら、TikTokで料理の動画をアップし続けるっていうやり方がある。「気づいたらやっていた。意識しなくてもできていること」っていうのが、1個ぐらいはあるんですね。それを見つけてください。これが適職の見つけ方です。
最後に、簡単にやりたいことを見つける方法というので、どこに着目していけばいいかっていう話をします。それは自分の「嫉妬心」です。人間生きていれば嫉妬します。 その嫉妬心というのは、憧れとは対極にあるものです。憧れは自分にないものを持っている人を見たときに生じます。嫉妬は自分の中に才能がある場合に生じます。例えば、片付けが上手い人が「整理整頓YouTuber」の動画を見たときにどう思うか。必ず嫉妬します。というのは自分もできるからです。 そのYouTuberが成功していればいるほど、嫉妬が強くなります。そうですよね。だって自分もできるのにできてないんですよ。本能は言ってくるわけです。「お前もやれ」と。嫉妬という不快な感情が上がってきたら、人間は動く。
多くの人がやりがちなのが、嫉妬すると、その活躍しているYouTuberにアンチコメントをしちゃうんですよ。これって「古い行動パターン」なんですね。 狩猟採集時代であれば、アンチコメをして「資源を分けてもらう」というのが成功したんですが、今っていうのは、それが無理で。テレビとかネットで見る相手は直接触れることができません。そして家族でもありません。なので、アンチコメをしても「資源を分けて貰えない」。 行動パターンが古いままだとダメなんですよ。だから、嫉妬したらアンチコメをするんじゃなくて、自分も同じことをするんですよ。「整理整頓YouTuber」に嫉妬したんだったら、自分にもその才能があるということなので、 今日からYouTubeチャンネルを立ち上げて、動画を1本アップする。そうすると、嫉妬心がスッと消えているはずです。 そのYouTuberの動画を見た時に、おそらく以前よりも嫉妬が減って、建設的な感情が出てくると思います。「よし、自分も頑張ろう。自分もこの人みたいになろう」みたいな。そういうものなんですね。 嫉妬というのは、「あなたがやるべきことを知らせてくれるサイン」なんです。あなたにどんな才能があるのかを、瞬時に知らせてくれるサイン。それが嫉妬心なんです。
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