163cmの作品群

「表現」という言葉が苦手だ。なにか魔法をつかっているような、自分の手から離れているもののような感じがする。ぶかぶかだ。
「創作」という言葉はすきだ。大きさや立派さが関係なく、作る工程そのものを指していて、きらきらしている。心身ともに引きこもっていても、形になっていなくても許される感じ。
「作品」という言葉はだいすきだ。自分の酸いも甘いも混ざった創作の跡を枠で囲って、きちんとした形のように見せてくれるから。

中学生の頃、国語の時間に私は偉大な発見をした。
それは「作品とは作家の人生の跡であり、作品を追っていくとそれぞれの人生のマップになる」ということだ。
誰だったか、有名な文豪の略歴を読んで感じたのだった。
これは、小説や詩に限らず、絵でも音楽でも料理研究家でも、何かを作る人・探求する人に共通するだろう。

格好つけずに、身の丈に合ったものを作りたい。身の丈に合ったことがしたい。束になれば、それは私にしかできないものである。誰にもないものを持っていたいけれど、他人と似通ったひとつひとつのものに罪はない。自分の声をよくきいて、やり続けていけばいいんだと思う。