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自己紹介:突如、神となった僕
ある小学校で「まなゲー授業**」を行った際、廊下を歩いていた僕は突如教室から躍りでた男子児童から跪拝(ひざまづいて拝む行為)を受けました。僕が「神」となった瞬間でした。(注:画像の僕がやたらイケメンで事実に反しますが何卒ご容赦ください)
「(まなゲー*を)作ってくれて、ありがとうございますだ〜」と大声で唱えながら僕を拝む彼の行為はもちろん冗談であるにせよ、子どもたちがまなゲーを楽しんでくれていると同時に、そこに何らかの「救い」を見出しているように感じられることは、実はしばしばあります。
2004年10月に、僕が子ども向けの無料学習ゲームサイト「まなゲーらんど」の運営を開始してから間も無く20年が経とうとしています。GIGAスクール構想で一人一台体制が整ったこともあり、毎日たくさんの子どもたちに利用してもらっています(全体の詳しい計測はしていませんが、計算ゲーム単体でも2022年で年間330万回以上プレイされていました)。
後半の十数年は主に関西圏の公立学校に招かれて、子どもたちと「勉強」について考える出張授業(まなゲー授業)も行ってきました。年間に数校しか行けませんがそれでも1000人を軽く超える子どもたちと語らい、彼らと勉強との関係を前向きなものにしていく試みに取り組んできました。
それらの取り組みの中で筆者が見出した、子どもたちの苦しみやその原因と思われるもの、まなゲー体験や勉強と出会い直す経験が彼らにもたらした変化とその背景についても、ここらで改めてまとめてみたいと考えています。
基本的には自分の考えをまとめるために書いていきますが(文章化しようとすると自分がいかにちゃんと分かっていなかったかを突きつけられて愕然としますよね)、誰かの役に立てるものになると嬉しいです。
書籍的に体系化することを目指しますが、なんせ20年もだらだらやってきたことなのでなかなか進まないかもしれません。また、重要だと思うトピックや最近新しく考えたことなどをコラム的に書いていくこともしたいので、並行して少しずつやって行けたらと思います。
注釈
*まなゲー(まなゲーらんど)について
まなゲーは「学び」と「ゲーム」を組み合わせた筆者の造語。まなゲーらんどは筆者が2004年から運営する小中学生向けの無料学習ゲームサイト(https://www.19online.net)。計算・漢字・英単語などを中心としたドリル的な内容にゲーム的演出を加えたコンテンツを無料公開しています。
**まなゲー授業について
筆者が2010年ごろから行っている活動。主として関西圏の公立小中学校へ赴き、まなゲー体験を軸として、子どもたちと一緒に勉強について考えながら、前向きな勉強観の形成を試みる特別授業です。45分×4コマを基本とし、概要は以下の通りです。
1日目:まなゲー体験1、勉強とゲームの類似・相違点について議論、勉強嫌いとは何かについて考える(45分×1コマ)
2日目:自分と勉強との関係からモンスターが生まれたら?を想像して描く(45分×2コマ)※この日に描いたキャラクターは後日プレイするまなゲー内に登場する
3日目:まなゲー体験2(自分たちが描いたキャラが登場する)、勉強観について考える、「ゲームモデル」の勉強観を提案する(45分×1コマ)