#5 抽象的がダメなワケ:顧客の共感を呼ぶ為に必要なものとは
前回の記事はこちら。
『抽象的』。この言葉に大抵の人は『良くない』というイメージを抱くだろう。では何故、抽象的が良くないのか?今回は本企画を主催したゼミの担当教諭である水野先生が抽象的である事のデメリット、そして顧客の共感を得る為に必要な事を独自の目線で語る。
『普通のアパレルブランドと何が違うんだろうって』
水野先生『今、藤本さんが仰っていた事は、私も似たようなことを思っていて、抽象的。抽象的の何がいけないかってやっぱり受け手の受け取り様によって、色んな想像が出来てしまう事が問題。
そして、それが共感に繋がりにくい。そして、これは勿体ない事ですよね。せっかく自分の実体験もあるし、想いもあるのに、それを抽象的なワードにしてしまうとターゲットを「たくさん、多くの人に」っていうのでぼやかしてしまうと、人によってイメージするものが変わってきちゃって、それで本当にやりたい事っていうのが伝わらずに、なにがやりたいんだろうなって。「普通のアパレルブランドと何が違うんだろうな」ってなってしまうので、今回、事業計画書もかなり言葉が曖昧だった。
(学生の)プランの要約としては、ファッション、服とかメイクとかによって変化ができる。でも、その服とかメイクとかに出会い方がわからない人達がいて、そこを手助けするのかなっていう風に見える。だけども、蓋を開けてみると、「1人でも多くの人が服によって変わりたい」っていう方がメインになって、どうやって服に出会えるのかっていうのと、服によって変わるっていうのとごっちゃになってしまっている。
じゃあ、どっちなの?服によって変わりたいのは、そりゃあ多くのアパレルがそうだよ。この事業計画書を最初に読んで、「何から始めたらいいか分からない」、「そもそも選択肢がわからない」、「どうやって情報収集してんの?自分に似合うの何なの?分かんない!」っていうそこが面白いって思ったんですよ。
『今回の肝はそこかなって』
でも、そこの話が後の方には一切出てこなくて、ただのアパレルブランドの話になって、そこの整合性が感じられなくて。
それで、今までの話にも繋がるけど、服との出会い、ブランドとの出会い、そのきっかけの部分が今回の肝かなって思うんですよね。
で、そっちをもう少し掘り下げて。で、しかも共感を呼ぶような、イメージをしやすいような言葉で説明してもらったら、より事業計画としてもいいかなと。ちょっと売る方に引っ張られ過ぎて。』
学生『そうですね。正直、この「伝える」っていう文面は僕自身もパワポ作ってる時にも、売りたいっていう気持ちであったりとか、「これを売りたい、感じてほしい」ってだけで、たぶんそこのやりたい事だけ先行してしまって、それを達成するためのプロセスとか、そこに対する過程っていうのは、全然自分でも落としきれていないんだろうなって思っています。』
水野先生『自分でも問題意識を感じているのであれば、グッドなんじゃないですか。私からは以上です。』