自分自身が間違ったと受け入れた段階から、意識的に自分自身を再構成しようとさせるのだ。
その昔、文化人類学者のルース・ベネディクトは、日本人と欧米人を、恥の文化と罪の文化に分類した。私たち日本人は、世間に対して恥を感じ、恥をかかないように行動する国民性であるとした。それに対して欧米人は、キリスト教の原罪を行動原理にしているとした。つまり、神の前で罪を感じ、罪深くならないように行動するのだと。
彼女の分類に乗って言えば、日本人は、恥をかき、自分自身を悔い改め、もう一度自分自身を見つけ直そうとし、自分自身を変えようとするのだ。それに対して、欧米人は、罪を認め、自分自身を悔い改め、もう一度自分自身を見つめ直そうとし、自分自身を変えようとするのだ。
どちらにしても、私たちは、自分自身が間違ったと受け入れた段階から、意識的に自分自身を再構成しようとさせるのだ。日本人も欧米人も、そして、すべての人間は、悔い改めようと思う時から、自分自身を獲得し直すことに向かうのだ。そういう動機がなければ、自分自身は変えられないものだ。