良識はこの世で最も公平に配分されているものである。(デカルト)

【考えるヒント】
ルネ・デカルトは、近代を用意した哲学者だが、彼の名言である「良識は公平に分配されて
いる」には、物凄く優れた観察眼を感じる。その当時の社会を観察して、理解したことではな
いだろうと思う。いや、現代社会を観察しても、多分、そのようなことを感じる人間は、いないように思う。そのぐらい、現実的ではない結論を、なぜ、彼は見たのか?

森を見て、その次に木を見て、そして、また森を見て、木を見る。この往復運動をした結果、
彼は、人間の本質まで行き着いて、良識が、人間に備わっていることを理解したのではないか。そして、その良識が上手く発揮されない現実を見たのではないか。だからこそ、現実的な社会では、発見されにくいのだと理解したのではないか。森では見えない現象も、木の中では見られるのだ。そして、その木の中で見られた現象が、実は、森の片隅でも見られることを見逃さなかったのではないか。

私たちは、森を見て、木を見て、そして、森を見て木を見る往復運動を忘れないようにしよ
う。全体像を見のがすことなく、細分を見落とすことなく、理解していこう。その中にこそ、本質があるのだから。

【考えるヒント・今日の言霊】
2021年5月7日(金)VOL.5193       
作者:中土井鉄信(合資会社マネジメント・ブレイン・アソシエイツ代表)

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