人は幸運な時は偉大に見えるかもしれないが、真に向上するのは不運の時である。(シラー)
【考えるヒント】
小学生の頃、跳び箱が何段飛べるかを、友だちと競い合ったものだ。3、4段なんか簡単に飛べるから、皆ニコニコ笑って飛んでいた。ところが、7段になると、誰もが真剣に飛ぼうと必死になったものだ。そして、やっと飛べると、8段に挑戦するのだが、これが中々飛べないのだ。さっきまでの余裕はなくなり、みんな真剣になって、悲壮感すら見せ始めるのだ。
そして、その8段さえも飛べるようになると、皆のヒーローになる。もう8段では、ビクつかなくなるのだ。そうなのだ。人間は、苦しい時こそ、自分自身の何かが成長して、その苦しいことを、苦しいことのままにはしてはおかない動物なのだ。苦しい時こそ、私たちの成長の機会なのだ。それから逃げなければ、私たちの成長は保証されるはずだ。
誰もが、人それぞれの跳び箱を飛ばなければならない。跳び箱の高さは、必ず自分自身の能力よりも多少高いものに設定されているのだ。
だから、逃げないで、飛ぶ努力を続けることだ。そうすれば、飛べるようになる。それが出来るのが、人間だ。そして、跳び箱を飛んでしまえば、次の高さの跳び箱が現れるのだ。
【考えるヒント・今日の言霊】
2021年1月26日(火)VOL.5120
作者:中土井鉄信