安易に近道を選ばず、一歩一歩、一日一日を懸命、真剣、地道に積み重ねていく。(稲盛 和夫)

【考えるヒント】
人間の成長を考えてみると、生まれて数年は、飛躍的に能力が向上していくが、徐々に、その能力の向上速度は落ち、結局、二十歳を過ぎたころからは、身体も能力も徐々に衰退していく。しかし、ここからが人間の面白いところで、成長から成熟に変わっていく。つまり、進化の局面から、深化の局面に変わるのだ。

経験が増え、今までの出来事を意味化出来るようになり、知識が知恵に変換できるようになり、そして、人間関係の深いところまで理解できるようになっていく。これが、成熟だ。だから、この成熟は、一足飛びにはならない。一日、一日、ゆっくりと過ごすことによって、気づいたらそうなっていたというようにしかならないのだ。

私たちは、成長から成熟へと向かわざるを得ない動物だ。だから、近道は不要だ。コツコツとやるべきことをやり、それを積み上げていくことでしか、成熟は、成しえない。そう思って、焦ることなく、日々を誠実に生きていこう。それこそが、近道なのだ。

【考えるヒント・今日の言霊】
2021年12月14日(火)VOL.5350     
作者:中土井鉄信(合資会社マネジメント・ブレイン・アソシエイツ代表)

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