すべての歴史は主観的になる。言い換えれば、正しくは歴史は存在しない。あるのはただ伝記だけだ。 (エマーソン)
【考えるヒント】
客観的なことなど何もない。そう言っても良いぐらい、私たちは、人それぞれの世界を生きている。ある出来事が起きたとする。A氏から見ても、B氏から見ても、C氏から見ても、それは確かに交通事故だということになったとする。しかし、ここからが、三人の見解は分かれることになる。どんな事故だったのですか?と問われて、A氏の見解とB氏の見解とC氏の見解は、一致しなくなってしまうのだ。そして、その事故の原因はと問われれば、それは、全く一致しない可能性がある。
つまり、私たちは、自分の信じた物語を生きているのだ。だから、客観的な歴史など存在するはずがない。誰が歴史を見るか、理解するかで、全く人それぞれの歴史になってしまうからだ。エマーソンの言うように、歴史ではなく誰かの伝記として過去が存在するようなものだ。
主観的に世界を生きている私たちは、だからこそ、自分で世界をどうでも出来るのだ。自分の世界とのかかわり方を変えれば、世界は、自ずと変わっていくからだ。世界を変えたければ、世界を見る見方を変えていくことだ。
【考えるヒント・今日の言霊】
2021年9月29日(水)
VOL.5296
作者:中土井鉄信(合資会社マネジメント・ブレイン・アソシエイツ 代表)