間違いを怖れて戸を閉ざせば、真実も締め出されてしまう。(タゴール)
【考えるヒント】
集団の中で議論をしていると、違和感を持つ意見や事実に、どうしても口を閉ざしてしまう。特に、その意見や事実が上司や権力者から言われたものであれば、なおのこと、私たちは、口を閉ざしてしまう。もし、その発言に異議を唱えて、自分の方が間違っていたりしたら、その後がとんでもないことになりかねないからだ。
しかし、もし、その発言が、彼らの勘違いや思い違いであったら、その場の議論は間違った方向へと進んで、全てのことが無意味になってしまう可能性がある。自分が間違う可能性を思うあまりに、自分の中に生じた違和感を心に押しとどめてしまえば、彼らの間違う可能性を捨て去って、本当のところは闇に閉じ込めることになるのだ。
誰でもが間違う可能性はあるのだから、気にせずに発言をすることだ。それこそが親切だというものだ。生きているということは、失敗や間違いを犯すということだ。誰でもが同じ確率でそうなのだ。だとすれば、違和感のある意見や事実には、手を挙げて確認することだ。それこそが、議論の中での真実の態度だからだ。
【考えるヒント・今日の言霊】
2021年3月10日(水)VOL.5151
作者:中土井鉄信(合資会社マネジメント・ブレイン・アソシエイツ代表)