もうダメだ。そう追いつめられたその瞬間に、何かが見えてくるのだ。
人生には何回か、行き止まりの状態が訪れる。もうこの先はない。もうこの後はない。もう逃げ場がない。こんな状態に陥ってしまうことがある。何をどうしたって、どうにもならないように思えることがある。
その度に、途方に暮れ、空を仰ぎ、地面を見つめ、爪を噛み、頭をむしり、時間を稼ぎ、何か手はないかと考え、それでもなければ、振り出しに戻って、もう一度事態を眺め、また考え出し、違う角度から事態を見、何か手はないものかとあがくのだ。
そして、もうダメだ。タイムリミットだ。そう追いつめられたその瞬間に、何かが見えてくるのだ。そうだ!既存の手などないんだ。新しく作るしかないんだ。これでやってみよう。こんな考えがふっと浮かぶのだ。ギリギリセーフが見えてくる。人生にはこのようなぎりぎりを歩む時があるのだ。