合格おめでとう!浜松西高中等部・静大附属浜松中 ―見えない場所の輝きが道を拓く―

人は見えないところでどう行動するのか。そこに、その人の本質が表れます。

まなび研究所では今年、10名の小学6年生が難関中学校の受験に挑戦し、7名が浜松西高中等部、静大附属浜松中、浜松日体中に合格を果たしました。全員の合格には至りませんでしたが、一人ひとりの成長を間近で見守ることができました。

その中で印象に残る出来事がありました。ある日、男子トイレがいつも以上に丁寧に使われていることに気づきました。個室の便座は拭き取られ、洗面台の水滴は拭かれ、トイレットペーパーまで三角に折られていたのです。それは、小6の受験生がいる日に限って見られる光景でした。

その生徒が実践していたのは、まさに「徳」を積むことだったのです。「徳」とは、深く根付いた人格の優れた性質を指します。そして、徳を積むとは、日々の習慣や行動を通じて培われるものです。周囲の人への思いやり、自分を律する心、感謝の気持ち——これらの徳は、学習においても非常に重要な役割を果たします。

トイレ掃除のような誰もが嫌がる作業を、その生徒は目立つことなく自ら進んで取り組んでいました。その小さな行動こそが、大きな「徳の力」を生み出していたのだと思います。

その後、その生徒は勉強にも真摯に向き合うようになりました。私がアドバイスした学習法を繰り返し実践し、自分の力として身につける努力を重ねていったのです。気づけば、物事に誠実に取り組む姿勢が自然と備わるようになっていました。結果、浜松西高中等部に見事合格を果たしました。

さらに、その生徒の母親からは「読書や計画的な学習習慣が身についた」という嬉しい報告をいただきました。このエピソードは、徳育が道徳的な行いにとどまらず、学習の基礎となる習慣形成にも良い影響を与えることを示しています。

子どもたちの成長を見守る中で、私たち大人がどのように「徳」を育んでいくかを考えることは、とても大切です。目に見えない場所での行動が、その子どもの未来を確実に切り開いていくからです。

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