《メロン、夏.》
餃子、枝豆、きゅうりの和物、おそうめん。このあたりが、わが家の夏の定番メニューとなっています。
どれも何も考えず今ではつくることができますが、初めの頃というのは、恥ずかしい失敗だらけ。
焼き上がった餃子がフライパンにこびりついて離れなかったり、無理やりはがそうとしたら、皮と具が見事にバラバラになったり、小さなお鍋からはみ出た、おそうめんを焦がしてしまったりと。
「生ハムメロン」。
上記の定番に今まさに加入しようとしている一品です。生ハムの塩気とメロンの甘みのマリアージュがたまらないそれですが、お店でいただくものというイメージが強く、自宅でつくったことはこれまでありませんでした。
ところが、先日思いつきで食卓へ並べてみると、あっという間に売り切れ。しかも、この時季に不足しがちな水分と塩分を同時にとれる素晴らしさもあって、これは定番にしなくてはと、ふたたび生ハムとメロンを求めスーパーへ向かいました。
わたしのささやかなこだわりですが、庶民の味方スーパーと、お洒落スーパーとを二軒訪れ、メロンは安いものを、生ハムは多少いいものを選ぶようにしています。
旬のメロンは嬉しいことにどれも一定以上においしいのですが、生ハムの方はお値段においしさが比例する傾向にあるようです。また、どちらも高級品では「定番」にはなりずらいというのが、おうちごはん。
さて、初めてをつくる時というのは、意外な落とし穴にひっかかるもの。とくにレシピを調べず、思いつきで始めた時には。
メロンの種取り。これが案外やっかいだったのです。小粒な上につるりとすべるそれ。さらに噛みきれないため、口へ入れてしまうとあまり愉快ではないようで。「メロンを生ハムで巻くだけ。」と油断して取りかかったところ、種を取るのに15分もかかっていました。
それでも、ほんとうに巻くだけでよいので、生ハムが踊っていることには目をつむり完成。
「食べてくれるかな?」と心配した祖母も、次々と口へ運んでくれました。わたしの取り皿にもどさどさと入れてくれて。これは、彼女のおいしいの合図。
ということで、今夜も「生ハムメロン」をつくります。生ハムとメロンの準備は万端。前回は、手ですくった種を今回はスプーンで取りのぞく予定です。これさえすんなりできれば、もう定番入りは間違いないよう。
そして...今日も祖母が取り分けてくれることを、よくばりに願うわたくしです。