ここまでの「わたしの文学フリマ東京35」前編(11月20日にお会いしましょう)
文学フリマ出店の経緯はこちら
出店申し込み
居酒屋で友人と上記のやりとりをしてから、もうこの勢いで申し込まないとまた気持ちが淀んでしまうと思い、まずは誘ってくださったスタババさんに、誘っていただいた御礼と出る決心をした旨をご報告する。
1ヶ月くらい返信をおまたせしてしまったのでとても申し訳ない気持ちだったけれど、そんな心配をよそにこの決心を心から喜んでくださり、「よく決めてくれたね!!」と言葉をかけていただいた。私も心底嬉しかった。そっか、私決めたんだ、そしてついにそれを誰かに宣言したんだ、と思うと決心に輪郭がくっきりついた感触がした。
このお話をした時点ですでに申し込みが800ブース近かったので、報告と同時に私も申し込み。居酒屋で酔いどれで決めた名前「ぼんじりシンジケート」を申し込みフォームに打ち込むとなんだか高揚感がわいてきた。
自分が心の中で決めたことを、実際に自分でお金を払って場所を用意して、自分が無から生み出した文章を本という物にして、人前に出す。
すべてが初めての経験だけれど、この高揚感のおかげか不思議と、まあなんとかなるさ、なんとかするさ、と思えた。
取り急ぎ、一章だけ
ジャンルをエッセイに設定して出ると決まったものの、どんなテーマで、どんな本で、どんな文体で書くのか全く何も決めていない状態。日記にしようか、企画ものにしようか、どれくらい書いたらどれくらいの分厚さの本ができるのか……
私は「とりあえず手を動かす」というのがちょっと苦手で、ある程度先行したイメージがないとすべてが無駄になる気がしてしまう。
近所の本屋さん「百年の二度寝」さんでZINEを買って情報収集したり、文学フリマにこれまで行って買った本を改めて読み返したり。好きなエッセイ本を机に並べて、なんで好きなのかを改めて考え直したり。まずはじっくり今手元にあるものを見てみることにした。
それとは別に、文学フリマに出ると決めたちょうど翌日、ひとつのnote記事を書いた。
ある夜の出来事を書いたなにげない記事なのだけれど、私自身が書いていてとても楽しかった。なぜ楽しかったのか考えてみると、私のおしゃべり下手なところに起因しているような気がした。
私はいわゆる「エピソードトーク」が苦手だと感じている。オチまでうまく話を盛り上げながらわかりやすいように話すのは得意ではなくて、噛んだりするし、「え?」と聞き返されたりしてしまう。
でも文章でなら。何度でも書き直せる。自分の言いたいことをある程度のまとまりをもって順を追って綴れる。そして「あの日の感動」という主軸のトピックがありながらも、その場所やその物が好きな理由を織り交ぜて伝えられる。
今この場で目の前のひとを笑わせようと気を使う必要がない、目の前の人のリアクションを気にする必要がない、「文章」という体裁はとっても自由。
でも文章も下手じゃんと言われればそれまでだけれど、それがなんだ。
誰に迷惑をかけるわけでもない。今回は私が自分で用意した場所だから、私が書きたいものを書いていいじゃないか。
というわけで今回は私が好きなものの話を存分にしようと思った。それで、好きなものってなんだろうと考えたときに、食事だなってすぐに思いついた。ずっと昔からTwitterを「まんぷくたぬき」って名前でやってるだけあって(だけあって?)、食事が大好き。子供の頃高熱で寝込んだときでも、ケンタッキーフライドチキン食べたいと言って親を呆れさせたことがあるくらい、食事は私の活力。
それから、今住んでいるこのエリアが好き。上京してからもう10年以上立つけれど、離れられずに住んでいる。再開発やコロナ禍でどんどん変わりゆく街は寂しい。けれど、よりよくなっていく部分や新しく見える一面もある。それをいまここにいる私という観測地点から余さず覚えていたい。
そう思って、今回はこのエリアの酒場での食事日記を書こうとぼんやり決めた。それでまずは一章だけ、酒場に行った思い出を思い起こしてかいてみたら、やっぱりとても楽しかった。
また、いろんな本を並べてみた結果、「この店にきたらマストな商品はこれです!これを食べないなんて勿体無い」というような食紹介系のグルメリポートよりも、
「何食べようと思ってふらふら街を歩いていたら行き着いたのがここ。おすすめマークはついていないけれど頼んだ、このひと品が好きな味だった」
という個人の食事記録のほうが、食も店も選択の自由さを感じられて、自分はとても好きだってことがわかった。
うん、まだどんな本になるかの最終形態はわからないけれど、このイメージで、この方向でいこう。
こんな流れで「満腹街道」を書くことが決まった。(後編に続く)
文学フリマの宣伝させてください
今回ブースの数が過去最大数なんです!!なのでちょっとだけ宣伝頑張ってます。またかよと言わずにお付き合いください。
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宣伝ばかりで恐縮です。
でも、とっても楽しいお祭りです。本が好きな人はもちろんのこと、様々な装丁を見るだけでも楽しいです。なにか特定のテーマに造形が深い人、最近マイブームがある人は、共通項のあるブースがひとつはあるのではないかなあと思います。
よかったら今週日曜日の午後、お散歩がてらでもモノレール目当てでも、ぜひぜひ遊びにきてみてください。